マイクロソフトは、企業独自のドメインに合わせてAIモデルを追加トレーニングできる「Microsoft 365 Copilot Tuning」を発表した。現在、早期アクセスプログラムの段階。
エンタープライズ向けのLLMを搭載したAIツールは、必ずしもその企業のビジネス特有の言語を理解しておらず、デフォルトのデータセットでは文脈が不足している場合がある。
この問題に対し、今回発表された「Microsoft 365 Copilot Tuning」を使うことで、開発者がMicrosoft Copilot Studioのローコードツールを使用して、高度に自動化された微調整「レシピ」を活用できるようになる。このレシピとは、エンタープライズデータを使用してAIモデルをトレーニングし、その企業のドメイン固有のタスクを支援するもの。
Copilot Tuningは画期的なデータ収集方法を採用することで、通常のタスク固有のファインチューニングにともなう複雑な手順を効率化しているという。この方法により、データセット全体のクリーンアップを行いながら、コンテンツの10%未満にラベルを付けることが可能。
データの選定は容易で、SharePointに保存されているファイルを使用する場合、数回クリックするだけで完了する。また、データの取り込みと処理にあたって外部からの監視はなく、モデルの微調整に使用されるファイルの内容に誰もアクセスすることはできない。さらに、Access Lists(ACLs)が組み込まれており、データにアクセスできるユーザーとモデルを使用できるユーザーの整合性が自動的にチェックされるので過剰に共有される可能性を防ぐことができる。事前定義されたタスクが含まれているので、開発者による手動コーディングは不要。
現在、Microsoft 365 Copilot Tuningは早期アクセスプログラムで試すことができる。対象となるのはMicrosoft 365 Copilotの5000シート以上のライセンスユーザー。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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