APIはあらゆるプロダクトの「屋台骨」、AIエージェントでも変わらないその役割とは
──Marco Palladino氏の現在のポジションと役割について教えてください
Marco Palladino氏(以下、Marco):KongのCTO(最高技術責任者)であり、共同創業者でもあります。私は、Kongのテクノロジーのビジョンを明確にすること、また市場に適したプロダクトを確実に提供することを大きな役割として担っています。
──Kongではどのようなサービスを提供していますか。
Marco:KongではAPIの接続性を高め、AIエージェントの開発など戦略的な資産を構築するためのプラットフォームを提供しています。
──まずは、APIについて教えてください。LLMアプリケーションの登場によって、その役割はどのように変化していくのでしょうか。
Marco:APIは、いま世界で提供されているプロダクト、モバイルアプリ、ウェブサイトの屋台骨になっているといえます。例えば、モバイルアプリをバックエンドに接続するとき、あるいはマイクロサービスを構築してクラウドへ移行するときにAPIが使われてきました。
そして、それはAIエージェントでも同様です。なぜなら、LLMにプロンプトを送るためにもAPIコールが必要ですし、エージェントがツールやデータ、システムを利用するためにもAPIコールが必要だからです。
──MCPの通信についても、APIとの関係性などから解説してください。
Marco:MCPは近年登場した新しいプロトコルです。これはAIエージェントがツールや外部データにアクセスするための手順やルールを定めたプロトコルであり、その点でgRPCやGraphQLなどとは異なります。
従来のRESTful APIは、クライアントによってあらかじめ指定されたエンドポイントにアクセスして利用されてきました。一方で、MCP APIはAIエージェントによって自動的にそのAPIが検出されます。プロトコル自体がネイティブなエンドポイントを利用できるだけでなく、その情報を提供することで「ここにAPIがあること」を検出させます。
また、HTTPストリーマブルなプロトコルを使用することで、デフォルトでリアルタイム性を持っています。これにより、エージェントの応答をリアルタイムでストリーミングすることができます。
さらに、MCP APIはプロトコル内部でメモリやプロンプトのコンテキスト管理機能も提供しているのが特徴です。
──従来のRESTful APIはこれからも利用されていくのでしょうか?
Marco:もちろん、機能呼び出しのために引き続き使用することは可能です。しかしMCPが登場したいま、MCPを経由するのがより良い方法といえます。
ただ、そこには課題があります。既存のAPIエコシステムをどのように移行して、検出可能にするかという点です。そこでKongで提供しているのは、ユーザーがMCPのAPIエコシステムをいちから構築する代わりに、既存のAPIからMCPを自動生成する機能です。
