SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Boost 2025 セッションレポート

都知事選で15万票を獲得した安野貴博氏が語る、3ステップで実現する社会構造のDXとエンジニアの在り方

【B-1】AI時代のDX戦略 〜変革を実際に起こすために必要な考え方〜

エンジニアに問われる課題設定能力と設計の重要性

 講演の最後に、安野氏はDXには「レベル1」と「レベル2」があると提言した。レベル1のDXとは「既存のワークフローの1つ1つをデジタルに置き換えていくこと」である。対してレベル2のDXとは、「今あるテクノロジーを前提として、既存のプロセスや目標を一度忘れてゼロベースで再構築すること」だ。

 今回の選挙活動で安野氏が実践したのは、まさに後者の「レベル2のDX」であった。従来の選挙のように「候補者の声を届ける効率(ブロードキャスト)」を追うのではなく、「有権者の声を聴く仕組み」つまり、ブロードリスニングという全く新しい目的を設定し、そのためのワークフローをゼロから設計したのである。この「目的そのものをテクノロジー基準で作り変える」姿勢こそが、社会に大きなインパクトを与える本質的なDXのアプローチと言える。

目的そのものをテクノロジー基準で作り変えることが重要
目的そのものをテクノロジー基準で作り変えることが重要

 AIが急速に進化する世の中で、エンジニアの価値も変わりつつある。求められるのは、単にコードを書く技術ではない。特定の業界や領域の知識とAIを組み合わせ、社会や組織の課題をどう解決するかという「課題設定能力」と「アーキテクチャの設計能力」である。

 安野氏は自身の歩みを振り返り、「あまりエンジニアがいないと言われている政治の業界に入っていくことで、独自の戦い方やインパクトが生み出せる」と語った。日本の現場に眠る「デジタル化されていない知恵や対話」をAIで集約し、活用することができれば、それは日本独自の強みを持ったDXに繋がるだろう。

 AIはエンジニアの仕事を奪う脅威ではなく、これまでの組織や社会の限界を突破するための強力な道具である。政治という一見テクノロジーから遠い領域でさえ、エンジニアリングのアプローチで「バグ」を修正し、再構築できることを安野氏は証明した。

 「今あるテクノロジーで何ができるのかをゼロベースで設計する。若手エンジニアの皆さんにはそこまでトライしてほしい」。安野氏は会場にいるエンジニアに向け、既存の枠組みを超えて「未来を実装する」ことへの挑戦を促し、講演を締めくくった。

この記事は参考になりましたか?

Developers Boost 2025 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小玉 莉子(編集部)(コダマ リコ)

 2022年に新卒で翔泳社へ入社し、CodeZine編集部に配属。 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/23213 2026/02/19 08:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング