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Developers Boost 2025 セッションレポート

コードを書くだけの時間は終わったのか。U35エンジニアが語る、AI時代を生き抜くための「越境」と「研鑽」

【A-4】技術×挑戦で切り拓く!私なりのステップアップ【U35に伝えるライトニングトーク】

SQLの習得がもたらした、違和感を成長に変える思考法。

 菊池のぞみ氏は、音声プラットフォームを運営する株式会社VoicyでQAエンジニアとして活動している。しかし、そのキャリアは平坦ではなかった。入社当初は人事労務としてバックオフィス業務に従事していたが、入社半年で脳卒中を発症。半年間のリハビリを経て、開発未経験の状態からテスターとして復職し、現在はQAエンジニアとして現場に立っている。

株式会社Voicy QAチーム 菊池 のぞみ氏
株式会社Voicy QAチーム 菊池 のぞみ氏

 菊池氏が後遺症として抱えるのは、高次脳機能障害である。言語処理や注意配分、思考の整理に困難を伴い、新しい事項の習得も容易ではない。そのため、複数タスクを同時にこなすには工夫が必要だ。しかし、外見からは判断しにくい障害であるため、周囲に配慮を求めにくい側面がある。

 そんな菊池氏が抱えていたのは、テストデータ作成に関する課題だった。特定条件のテストを行う際には、エンジニアにデータ投入を依頼する必要があった。「内容自体は難しくないにもかかわらず、毎回時間を要し、他者の作業を止めてしまう構図に非効率さを感じていた」と語る。

 この違和感をチームメンバーに相談したところ「自分でできるようになればいい。教えますよ」との返答があった。これが転機となり、菊池氏は「問題はスキル不足ではなく、自分にはできないと無意識に決めつけていたマインドセットにあった」と気づいた。

 最初はSELECT文をそのままコピー&ペーストするところから始めた。指示通りに実行すると、必要なテストデータが即座に取得できた。その小さな成功体験が、「もっと構造を理解したい」「自分で書けるようになりたい」という次の意欲を生んだ。

 実践の成果は明確だった。例えば「30日後にポップアップが表示される」といった時間依存のテスト。従来はエンジニアに時間操作を依頼していたが、SQLを扱えるようになったことで、自身でデータを調整し、繰り返し検証できるようになった。待ち時間は削減され、テスト効率は大きく向上した。

SQL学習という小さな一歩が、効率改善と視野拡張という確かな成果を生んだ
SQL学習という小さな一歩が、効率改善と視野拡張という確かな成果を生んだ

 この経験から、菊池氏は3つの気づきを提示する。

 第1に、「できない」と決めてしまうのは自分自身であり、その思い込みが成長を阻害すること。第2に、業務上のモヤモヤ(違和感)は成長の兆しであり、貢献の余地を示すシグナルであること。第3に、たとえコピペから始まったとしても、小さな成功体験の積み重ねが次の挑戦を生むこと。いずれも、自身を更新し続けるための貴重な学びである。

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キャリアを自ら設計するために。新卒1年半で身につけた「再現可能」な主体性

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この記事の著者

水無瀬 あずさ(ミナセ アズサ)

 現役エンジニア兼フリーランスライター。PHPで社内開発を行う傍ら、オウンドメディアコンテンツを執筆しています。得意ジャンルはIT・転職・教育。個人ゲーム開発に興味があり、最近になってUnity(C#)の勉強を始めました。おでんのコンニャクが主役のゲームを作るのが目標です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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