キャリアを自ら設計するために。新卒1年半で身につけた「再現可能」な主体性
Justin Wulf氏は、新卒でdip株式会社に入社し、現在はQueryLift株式会社で生成AIのセキュリティに関するサービス開発に携わっている。キャリアはまだ1年半ほどだが、「今のところうまくいっている」という確かな手応えを感じている。今回のライトニングトークでは、その手応えの源泉となる「主体性」について語った。
初めの転機は、dip入社翌月に訪れた。所属チームで大量離職が発生し、10人いた体制が2人へと激減。バックエンド担当として入社したにもかかわらず、フロントエンドも担わざるを得ない状況に置かれた。思わず逃げ出したくなるような難局だったが、なんとかリリース目標を完遂した。この時「主体的に動いてくれて助かった」と高く評価され、自ら動くことの価値を実感したという。
そこからWulf氏は、意図的に担当領域を広げていった。輪読会や勉強会の定期開催、オブザーバビリティ領域への参画、さらにはDevRel(技術広報)活動への挑戦。バックエンドの枠にとどまらず、組織全体への貢献を目指した。その結果、通期表彰の受賞、新卒初となる二段階昇進を達成する。「与えられたタスクを極めるだけでなく、役割を越えて価値を出したことが評価につながった」とWulf氏は自負を込めて語る。
その後、Wulf氏はQueryLiftへ転職した。ここでは、エンジニアが2名しかいない体制で、自身の担当はバックエンドに限られない。フロントエンドの実装に加え、要件の整理やインフラ設計、さらにはサービスの見せ方まで幅広く担うことになった。
役割が細分化されていない環境では、誰かの指示を待つのではなく、自ら必要な仕事を見つけて動く姿勢が不可欠だ。ここで、前職で培った主体性が、そのまま新しい環境への適応力として機能した。これによりWulf氏は、「主体性は会社の規模に関係なく通用する武器だ」と実感したという。
まばゆいほどの主体性を、今から獲得するにはどうすればよいのか。Wulf氏は「主体性はパーソナリティ(性格)の問題だけでなく、ある程度は再現可能なスキルだ」と前置きし、2つの具体策を提示した。
1つ目は、自身のキャリアを主体的に設計することだ。与えられたタスクの延長線上に、理想のキャリアがあるとは限らない。現状とのギャップを自覚し、それを埋める行動こそが主体性を育てる。カンファレンスへの参加も、その実践の1つであると強調した。
2つ目は、上司との信頼関係の構築だ。「上司とは仲良くなりましょう」と冗談を交えつつ、、挑戦したいときに相談できる関係性を日頃から築くべきだと説いた。「越境は信頼の上に成り立つ。まずは信頼を損なわない行動を積み重ねることが出発点だ」と語った。
AIの普及により、知識や実装力といったハードスキルの差は以前ほど生じにくくなっている。だからこそ今後は、単なる知識の有無よりも、知識を用いて自分から動き、成果につなげられるかが問われる。
その「動いて成果を出す力」を支える要素こそが主体性なのだ。Wulf氏はそう結論づけ、笑顔でトークを締めくくった。
