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Developers Boost 2025 セッションレポート

AIに置き換えられるか、AIを使いこなすか。CursorアンバサダーのKinopee氏が語るAI活用の極意

【B-4】"分身"Cursor Agentに仕事を託す、新しい働き方のはじまり

 近年、驚異的な速度でタスクを遂行するAIエージェントは、人間がより価値の高い仕事に集中するための存在として注目を集めている。本セッションでは、Cursor Ambassadorであり『Cursor完全ガイド』の著者でもあるKinopee氏が、Cursor Agentを題材に、若手エンジニアが押さえておくべきAIエージェント活用の基本を解説した。高速化やマルチエージェント、クラウド実行といった具体的なデモを通じて、AIを分身のように使いこなす新しい働き方の実像を明らかにしていく。

人間の限界を「AIという分身」で突破するCursorという選択肢

 Kinopee(きのぴー)氏は、Cursor AmbassadorやDevin Expert、Windsurf Ambassadorを務めるほか、書籍『Cursor完全ガイド』で知られる人物である。本セッションは、Cursorを題材としつつ、AIの登場によってエンジニアのワークスタイルがどのように変化するのかを問い直す内容となった。

Kinopee氏
Kinopee氏

 セッション冒頭でKinopee氏が提示したテーマは「人間ひとりにできることの限界はどこにあるのか」という問いだ。時間と場所という制約から逃れられない以上、能力の高低にかかわらず、個人がでできることには明確な上限がある。その限界を突破するためのアプローチとして示されたのが、Cursorを用いてAIを「分身」として活用する方法である。

 まず提示されたのは、作業を高速に回すという発想だ。人の手でコードを書く場合、調査・設計・実装・デバッグ・テストと工程が積み重なり、どうしても時間がかかる。この一連の作業をAIに任せたらどうなるか。Kinopee氏はここで、実際の操作デモを披露した。

 スクリーンに映し出されたのはCursorの画面である。題材は、スペースインベーダー風のレトロなゲームだ。Kinopee氏がCursorのプラン機能を選択し、作成したい内容を自然文で入力すると、Cursorは即座に仕様や構成の整理を開始した。

 画面上には確認事項が次々と表示され、ゲーム内容や実行環境についての質問が並ぶ。それらに回答すると、Cursorがディレクトリ構成やクラス設計案を提示していく。この淀みのないレスポンスの速さが、強く印象に残った。

 プランを確定させてビルドを実行すると、コードが一気に生成されていく。スクロールしながら流れる実装スピードは圧倒的で、人間には不可能な領域だ。裏側で動いているのはCursorの新モデル「Composer 1」であり、主要な先端モデルよりも4倍速いという。

高速モデルの活用により、人間の思考速度やタイピング能力を前提としない実装が可能になる
高速モデルの活用により、人間の思考速度やタイピング能力を前提としない実装が可能になる

 生成されたコードを実行すると、スペースキーで操作可能なインベーダーゲームが立ち上がった。レトロな見た目のまま、ゲームとして成立しており、十分に遊べる完成度に達していた。わずか数分前まで存在しなかったソフトウェアが、今この場で動いている。その事実が、「高速で働くAI」という概念の説得力を会場に強く突きつけた。

 「自分ではできないことを、誰かに任せて速くやってもらうという発想が、AI時代の前提になる」とKinopee氏は語る。

 ただし、注意点もある。プランを作らずにAIに丸投げすると、成果物のブレ幅が極端に大きくなる点だ。最初の設計が結果を大きく左右するからこそ、意図を整理し、正確にAIへ伝えることが肝要になる。

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“影分身”と“遠隔分身”── 1プロンプトで8つのAIを使いこなす手法

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この記事の著者

水無瀬 あずさ(ミナセ アズサ)

 現役エンジニア兼フリーランスライター。PHPで社内開発を行う傍ら、オウンドメディアコンテンツを執筆しています。得意ジャンルはIT・転職・教育。個人ゲーム開発に興味があり、最近になってUnity(C#)の勉強を始めました。おでんのコンニャクが主役のゲームを作るのが目標です。

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川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

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