SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2026 セッションレポート(AD)

95%が失敗する生成AIプロジェクト──成功のカギは「メモリエンジニアリング」にあり

【20-B-8】Memory Is All You Need:コンテキストの「最適化」から「継続性」へ ~RAGを進化させるメモリエンジニアリングの最前線~

生成AIプロジェクト失敗の1つは、「記憶」と「適応力」の欠如?

 小川氏はメモリエンジニアリングの注目が高まっている根拠として、MITのレポート「The GenAI Divide:State of AI in Business 2025」を引き合いに出した。同レポートは、2025年1月から6月にかけて、300以上の公開された生成AIプロジェクトを分析したほか、52の組織へインタビューを実施した結果がまとめられたものである。

 そこで語られていたのは、生成AIプロジェクトに対する投資額は300〜400億ドルに達したものの、95%は成果なし、本番稼働にこぎつけたのはわずか5%という厳しい結果であった。この数字は、これまで多くの生成AIプロジェクトを支援してきた小川氏自身の体感と、大きくズレていないという。

 なぜ生成AIプロジェクトの遂行は、そんなにも難しいのか。失敗の原因と解決案として挙げられていたものの中から、メモリに関するものだけを抜粋すると、以下の通りとなる。

モデルの品質や規制が障壁ではなくアプローチの違い
モデルの品質や規制が障壁ではなくアプローチの違い

 まず、失敗の主因は「学習しないツール」にある。コンテキストを記憶せず、フィードバックから学ばないAIは業務に定着しない。また、単純作業ではAIが好まれるが、複雑な業務では90%が人間を指示。「記憶」と「適応力」の欠如が信頼の壁となっている。

 「記憶」と「適応力」の欠如という課題に対して、どのような解決策が考えられるだろうか。小川氏は3つの転換点を紹介した。まず第1に「記憶しないツールの導入を中止すること」、そして第2に「特化型ベンダーと共創すること」、そして第3に「売上向上より確実なコスト削減すること」。

 特に強調されるのが、第1の「記憶しないツールの導入を中止すること」だ。ここでは、「モデルの品質や規制が生成障壁となってAIプロジェクトが失敗するのではなく、“記憶の設計”に関する問題である」ことが明らかになったのだ。

 そのうえで、小川氏は「開発者であれば、メモリエンジニアリングされているものに触れているはずだ」と語り、「ChatGPT」のメモリ機能と「Codex」のメモリ機能と「Claude Code」のメモリ機能の3つの例を挙げた。

実はメモリエンジニアリングは身近にある
実はメモリエンジニアリングは身近にある

次のページ
メモリエンジニアリングに必要な、多岐にわたるDB/ストレージ技術をどう整理するか

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

Developers Summit 2026 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:日本オラクル株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/23521 2026/04/09 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング