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Developers Summit 2026 セッションレポート(AD)

エンジニアだからといって生成AIですぐに成果を出せるわけではない──AI時代に必要な“肌感覚”とは?

【20-D-5】「触らないとわからない」を武器にする──AI時代のエンジニアが獲得すべき肌感覚と、没頭できる時間の確保

「エンジニアだから生成AIですぐに成果を出せる」は大間違い

 檀野氏が自身のチームに生成AIを導入した手順は、次の3ステップだったという。

STEP1:慣らし運転

 たとえば、ExcelのデータをCSVやJSON形式に変換する処理を依頼するなど、“業務に直結するタスク”を生成AIにやらせるように指示を出し、1日に1回は生成AIに質問する習慣をつけさせる。そこで「これは便利だ」と気づくなどポジティブな体験を積み上げるうちに、「これもできるのではないか」と、だんだん思考が切り替わっていく。

STEP2:OJT&レビュー

 実際の仕事で生成AIを使いながら、何ができて何ができないのかを見極めていく。「生成AIに1日かけてやらせてみたけれど、中途半端なものしか出てこなかったので、結局、自分でやりました」と言われたときに、“1日無駄にしたから失敗”と捉えるのか、“生成AIの限界を知ることができたから投資”と捉えるのか。これによって、その後の生成AI活用の進み方が大きく変わってくる。

STEP3:ストレッチ

 生成AIで何ができるのかがわかるようになると、つい、できることだけをやらせようとしてしまう。けれども、生成AIの進化のスピードは速いので、実は知らぬ間にできるようになっているかもしれない。その境界線を知るためには、生成AIができなさそうに思えるタスクを無茶振りしてみるのがオススメだ。

組織に生成AI活用を浸透させるための3ステップ
組織に生成AI活用を浸透させるための3ステップ

 この流れを見て、「ずいぶんと丁寧だな」と感じた人もいるのではないか。「自分も周囲もソフトウェアエンジニアなのだから、生成AIの使い方なんて、触ればすぐにわかるのに」と。「だが、これは大きな誤解だ」と檀野氏は指摘する。

 そもそも、プログラミングと生成AIは、全然違う。生成AIへ適切な指示を出したり、出力の確認や修正をしたり、挙動を理解したり、エコシステムを理解したり、といった生成AI活用スキルは、コーディングの適性とは全く異なる能力だ。

 むしろ、部下のマネジメントやML系エンジニアの適性が必要だろう。おまけに生成AIは、誰でも使えるし、プロンプトを入力したら、すぐに返事をしてくれる。だからなんとなく「技術に強いソフトウェアエンジニアが生成AIを使えば、すぐに成果が出るはずだ」という誤解が生まれ、過度なプレッシャーが与えられるようになるのだ。

 組織が生成AIに適応するには、時間がかかる。当たり前だが、生成AIを使えばどれくらい開発が速くなるのか、やってみなければわからない。従来の経験が全く通用しない生成AIの“肌感覚”は、試行錯誤の中でしか身につかないのだ。

 「すぐに成果が出ないのは『失敗ではなく必要な投資だ』という認識がないまま生成AIプロジェクトを進めると、組織が疲弊してしまう。没頭して試行錯誤する時間を捻出するのが、シニアエンジニアの役割だ」と檀野氏は指摘する。

 そしてもうひとつ注意したい点として、「次の開発に生成AIを使うと決めても、開発期間を短くしないこと」を挙げた檀野氏。生成AIを使ってみて、これは難しいと思ったら、あとは人力でやれるだけの時間をバッファとして見積もっておくのである。「うまくいけばラッキー。うまくいかなければいつもの開発。こうしておけば『それならやってみようかな』という気にもなる」と語った。

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生成AI活用の“肌感覚”を身につけよう

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

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関口 達朗(セキグチ タツロウ)

フリーカメラマン 1985年生まれ。東京工芸大学卒業後、2009年に小学館スクウェア写真事業部入社。2011年に朝日新聞出版写真部入社。2014から独立し、政治家やアーティストなどのポートレート、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。2児の父。旧姓結束。趣味アウトドア。

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