生成AI活用の“肌感覚”を身につけよう
檀野氏が必要だと説く、生成AI活用における“肌感覚”とは、「生成AIにどれくらい頼ると、自分の作業のどの部分が、どのくらい早く終わりそうかがわかる」「生成AIに何度聞いても、安定的に期待した出力が返ってくる」といったものであり、いわば“生成AIを制御できている感覚”のことだ。この肌感覚は人によって異なるため、他の人に聞いてもよくわからないし、結局は自分でやってみないとわからない。
この肌感覚が身につくと、自分の入力に対して生成AIがどのような出力をするのか、把握ができるようになる。すると、従来は数日~数週間かけて作っている間に仕様が変わって作り直しをしていたものが、プロトタイプや検証目的の試作であれば、生成AIなら数分~数時間でできるようになる。さらに、最初の数分で生成AIが使えるか使えないかの判断ができるようになり、最悪でも従来と同程度、最高なら劇的な時間短縮ができるというわけだ。「最初はくじ引き感覚でも、次第にその確度を上げていけたら」と檀野氏は述べる。
続いて檀野氏は、2026年の生成AIとエンジニアのこれからについて、次の3つの指針を示した。
1. 「動くものファースト」になる
従来は、実装に時間がかかるので、一生懸命、その前段階で要件定義や設計をしていたが、プロトタイピングや検証できるものを10分で作れるなら先に動くものを作ってしまったほうがいい。見えない状態で資料を作り込むのではなく、動くものを見てから必要な資料を作るよう、順番が変わる。
2. ソフトウェアエンジニアリングの「拡張」
従来は人間がやっていた工程に、生成AIが入ることを前提とした開発・運用プロセスに。最終的には人間が見るが、試行錯誤のプロセスに人間が入るとボトルネックが増えるので、品質基準が明確な定型処理に限れば、人間がレビューに介入する頻度を減らすことも可能だ。
3. チームで足並みを揃える
チーム内で生成AIの知識や活用度に差がありすぎると、パフォーマンスにばらつきが出てスケジュールの見積りが困難になる。新メンバーのオンボーディングに「生成AIチュートリアル」を組み込み、2週間程度の適応期間を経てからチームに本格参入してもらうようにすることで、チーム全体のベースラインを揃えたほうが効率的だ。
最後に檀野氏は「生成AIはエンジニアを置き換えるものではなく、エンジニアの能力を拡張するもの。生成AI活用の肌感覚を持ったエンジニアは、これからの開発現場でますます価値が高まる」と語り、セッションを締めくくった。
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