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Developers X Summit 2025 セッションレポート

AI時代のエンジニアはどう生きるか? シチズン時計が挑む「エンジニア×〇〇」のロールモデル構築

【session8】「コードを書くだけのエンジニア」で終わらない!事業成長を牽引する次の一手

「エンジニア×法務」——プライバシーポリシー改定という具体的な越境

 この問いへの答えを探すため、黒川氏とチームメイトのルドルフ・ヨガ・フタマ氏は「エンジニア×何か」という組み合わせで自分たちの発揮価値を拡張できる領域を洗い出した。スクラムチーム内のデータ分析・マーケティング、チーム外の品質保証・知財・法務の4テーマを特定し、2人で2テーマずつ担当することにした。

「エンジニア×○○」の探索——スクラムチーム内とチーム外の4テーマを洗い出し、2テーマずつ担当して課題解決に取り組む
「エンジニア×○○」の探索——スクラムチーム内とチーム外の4テーマを洗い出し、2テーマずつ担当して課題解決に取り組む

 ルドルフ氏が担当した法務・知財のパートでは、2つの課題が明確になっていた。法務部にとってはアプリ内のデータ取得構造がブラックボックスで、利用規約やプライバシーポリシーの策定に技術的な根拠を持ち込めないこと。エンジニア側は構造は理解しているが関連法規の知識が浅いことだ。

 法務部とのコミュニケーションを重ねていくと、付箋を貼るように次々と問題が可視化されていった。中でも「必要な権限や取得データの構造がわかりにくい」という点が最大の課題として浮かび上がり、エンジニアが取得データのリストを作成して法務部が理解できる形に整理する作業に取り組んだ。

 そのプロセスでユーザーに対して外部送信の経路(フロー)を明示すべきだという気づきも生まれ、アプリ内なのか外部サービスなのかを分類して整理し直した。改定後のプライバシーポリシーでは、Google Analyticsへのリンクを飛ばすだけだった記述が、外部送信の規律についてユーザーにわかりやすい形で細かく書かれるようになった。エンジニアが直接関与することで、取得データの実態に即した策定が実現したのだ。

 活動の中で露わになった課題も率直に共有された。データリストを作成する段階でどこまで記載すべきかの判断ができず、開発側で関連法規を十分に認識できていなかったことで手戻りが発生した。「もっと早く気づいていれば手戻りを少なく進められた」という反省は、次の越境活動に向けた実践知として残っている。

 黒川氏自身が担当したのはデータ分析と品質保証の2テーマだ。講演ではデータ分析への取り組みを中心に話した。この活動の動機として黒川氏が挙げたのは「視座を高く持ってプロジェクトを見られるようになりたい」という気持ちと、「エンジニアだけでなくプロダクトマネージャーのような活躍の道も開けるんじゃないか」という期待だった。

 2025年度のHealth Scanチームには、機器販売に合わせた機能追加や改善点の収集といったこれまでの活動に加えて、「事業拡大に向けたグロース施策」という新しい目標が加わった。しかし「ずっとエンジニアをやってきた自分には、グロース施策と言われても難しい」というのが正直なところだった。

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KPIツリーとEC送客施策——「施策立案から効果検証まで一気通貫」で掴んだグロースの感覚

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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