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開発者のためのスケーラビリティテストとゴールテスト

手動テストとToad for Oracleを使用したスケーラビリティテスト

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多くの場合、開発者はコードを記述するだけでなく、コードがアプリケーション環境で適切なスケーラビリティを持ち、適切に動作することを保証しなければなりません。本稿では、スケーラビリティテストとゴールテストの違いを取り上げ、手動テスト向けの擬似コードテストハーネスの例を紹介し、実際にQuest SoftwareのToadという自動テストインターフェイスを使用してOracleプロシージャのテストを行う例を示します。

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はじめに

 多くの場合、開発者の仕事は機能コードを開発することだけではありません。開発するコードがアプリケーション環境で適切なスケーラビリティを持ち、適切に動作することを保証しなければなりません。開発したコードに対しては、本来、次の3つのテストを行う必要があります。

  • 機能テスト…コードが提案どおりに機能することを確認します。
  • スケーラビリティテスト…コードが提案どおりに機能しながら、できるだけ少ないリソースで動作することを確認します。
  • ゴールテスト…コードが、指定のサービス品質保証契約(SLA)より短い時間で実行されることを確認します。

 この3つの中では、通常は機能テストが最も行いやすいでしょう。

 本稿では、スケーラビリティテストとゴールテストの違いを取り上げ、手動テスト向けの擬似コードテストハーネスの例を紹介し、実際にQuest SoftwareのToadという自動テストインターフェイスを使用してOracleプロシージャのテストを行う例を示します。適切なコードテストの方法、および開発者にとって利用しやすいテスト作成ツールについて学びたいと考えている開発者のお役に立てば幸いです。

手動で行うスケーラビリティテストの課題

 まず取り上げるのは、プログラム、関数、あるいはステートメントが可能な限り効率的にリソースを使用していることを確認するテストで、「スケーラビリティテスト」と呼ばれます。スケーラビリティテストでは、本番システムで想定される環境とほぼ同じ環境に置いたコードを、ランダムな変数を使用し徐々にユーザー負荷を上げながら実行します。このとき、ユーザー負荷を特定のユーザー数まで高めていく場合もあれば、環境に明らかなストレスが見られるまでユーザー数を増やしていき、現行のプラットフォームでの最大スケーラビリティを判断する場合もあります。

 スケーラビリティテストは、リスト1に示す擬似コードのような内製のテストハーネスを使用して実施できます。もちろん、このテストスクリプトは同時に複数のユーザーに手動で実行してもらう必要があります。

 おそらく何百行にも及ぶと考えられるテストハーネスを管理することは、大変な作業です。また、ランダムな値を生成したり、手動テストハーネスの基礎となるインフラストラクチャを管理したりすることに、実際のアプリケーションの管理や改良よりも多くの時間と手間がかかってしまうでしょう。

 スケーラビリティテストの結果は、通常、1秒あたりのトランザクション数(TPS)、あるいは1分あたりのトランザクション数(TPM)で表されます。

リスト1 スケーラビリティテストハーネスの例
Open procedure with "X" (number of times for each SQL iteration)
Loop 1: Choose Template SQL statement from SQL table
Loop 2: SQL Processing (iterate X times)
Read example SQL string from test SQL table
    Parse variables from code
    Loop3
        Read variable types and values from variable table
        Replace variables in SQL string with proper variable
    End Loop3
    Capture start timing
    Execute parsed and variable loaded SQL into cursor
    Capture end timing
    Calculate total time spent executing
    Load result table for executed SQL with timing
    End Loop2
End Loop 1 
Calculate Averages for all SQL
Determine TPS and or TPM
Generate report of results
End Procedure

ゴールテスト

 パフォーマンスに関するもう1つのコードテストとして、コードが指定のSLAより短い時間で実行されるかどうかを確認する「ゴールテスト」があります。単一のステートメントを実行する場合と、複数のユーザーで同時に実行する場合の両方について検討します。SLAを締結する際には、マネジメントチームは、管理するシステムの該当部分のみに対応すれば十分です。

 良いSLAとは、たとえば「トランザクションXは、データベースレベルで同時ユーザー数がZの場合、Yミリ秒(あるいは秒)以内で完了する」というものです。それに対して、言葉が不十分なSLAとは、たとえば「画面XはY秒以内に完了する」というものです。

 なぜ、2番目の例は不十分なSLAなのでしょうか。理由は、利用状況を限定していないことにあります。画面Xを見ているユーザーはサーバーの隣にいるかもしれず、この場合、SLAに適合する可能性は高くなります。一方で、ユーザーはバングラデシュにいて、サーバーはアメリカにあるという状況も考えられます。この場合は、さまざまなネットワーク遅延が関係してくるため、単純にSLAに適合するかどうかを考えても意味がありません。

 手動で行うゴールテストのテストハーネスの例をリスト2に示します。SLAを全面的にテストするためには、スケーラビリティテストと同様に、複数のユーザーに同時に手動テストを実行してもらう必要があります。ゴールテストの結果は、通常、特定の秒数に達するまでに行われるトランザクション数(TPMまたはTPS)、あるいは、あらかじめ指定されたTPSやTPMに到達するまでのユーザー数として報告されます。

リスト2 SLAテストハーネスの例
Open procedure with "X" (number of times for each SQL iteration)
Loop 1: Choose Template SQL statement from SQL table
Loop 2: SQL Processing (iterate X times)
Read example SQL string from test SQL table
    Parse variables from code
    Loop3
        Read variable types and values from variable table
        Replace variables in SQL string with proper variable
    End Loop3
    Capture start timing
    Execute parsed and variable loaded SQL into cursor
    Capture end timing
    Calculate total time spent executing
    Load result table for executed SQL with timing
    End Loop2
End Loop 1 
Calculate Averages for all SQL
Compare calculated averages to SLAs
Send alert if any SLA exceeded
End Procedure

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