XPやIE6向けのアプリケーションも容易に動作
パフォーマンスの次は、互換性についてのデモに移った。XPのVisual Basicで開発されたアプリケーションがVistaやWindows 7では動かないという状況を再現し、これを回避する方法として互換性アシスタントの機能が紹介された。
Vista以降は、セキュリティ強化のためUAC(ユーザーアカウント制御)という機能が組み込まれ、ユーザーが起動するexeファイルやプロセスは、管理者権限などを引き継がない仕様になっている。ユーザープロセスはShellExecuteという関数を使って呼び出す必要があり、権限のエスカレーションが制御されるが、XPではCreateProcess関数が利用されている。VistaとXPでは、これが互換性の問題を生んでいたが、Windows 7では、古いプログラムを実行し、この実行権限の例外が発生したときに、CreateProcess関数をShellExecute関数に自動的にパッチを当ててくれる機能が備わった。この原因で、一度起動に失敗したプログラムでもエラーに対して適切な指示をすると、2回目以降はパッチをあてたバージョンで問題なく起動できるようになる。

Windows 7に用意されたXPモードについてのデモは、古いIE6にしか対応していないウェブアプリケーションを動かすというものだった。「XPモード」とは、Windows 7のサービスとして起動されたXPのことである。このXP上でIE6などの古いアプリケーションを動かすことができるようになる。

Optimized Desktopによるデスクトップ仮想化
そして、クラウド時代への対応という点では、テレワーキングや仮想化環境などワークスタイルの多様化に対応するため、Windows 7のデスクトップ環境も最適化されるとして、Optimized Desktopという機能も紹介された。
このデモは、Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)に含まれるApplication Virtualization(App-V)の機能を使ったものとなった。この機能を使えば、Windows 7で実行するアプリケーションが実際にインストールされていなくても、利用することができる。Office 2003などの古いアプリケーションは、仮想化によるプロビジョニング(リソースを事前予測して準備しておきユーザーの要求に応じて迅速に割り当てること)で、ローカルにソフトウェアを残さずに利用を続けることができる。これは、管理者側からすると、メンテナンスやセキュリティ上のメリットがある。

また、デスクトップの最適化ということで、単純なアプリケーションの仮想化だけでなくデスクトップやユーザープロファイルなどもプロビジョニングできるそうだ。したがって、ユーザー側としても、異なるPCや端末からのログインでも同じWindows 7であれば、設定したデスクトップや、仮想化されたアプリケーションの状態、データにアクセスできるというメリットが生まれる。
デモでは、コントロールパネルではインストールが確認できないWord 2003がデスクトップ上にはアイコンがあり、実際に起動ができるというものと、編集中のWordファイルと設定したデスクトップのテーマなどが、まったく別の場所にあるPCでも、自分のアカウントでログインすればそのままの環境が再現されるというものが行われた。


なお、この機能は当然ながら、Windows Server 2008との連携が必要となる。
Windows Server 2008 R2と、Office 2010に関する模様は、後編でお伝えする。
