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イベントレポート

Tech・Ed Japan 2009 基調講演(前編)
――95から15年、09年はクラウド時代のWindowsへ


XPやIE6向けのアプリケーションも容易に動作

 パフォーマンスの次は、互換性についてのデモに移った。XPのVisual Basicで開発されたアプリケーションがVistaやWindows 7では動かないという状況を再現し、これを回避する方法として互換性アシスタントの機能が紹介された。

 Vista以降は、セキュリティ強化のためUAC(ユーザーアカウント制御)という機能が組み込まれ、ユーザーが起動するexeファイルやプロセスは、管理者権限などを引き継がない仕様になっている。ユーザープロセスはShellExecuteという関数を使って呼び出す必要があり、権限のエスカレーションが制御されるが、XPではCreateProcess関数が利用されている。VistaとXPでは、これが互換性の問題を生んでいたが、Windows 7では、古いプログラムを実行し、この実行権限の例外が発生したときに、CreateProcess関数をShellExecute関数に自動的にパッチを当ててくれる機能が備わった。この原因で、一度起動に失敗したプログラムでもエラーに対して適切な指示をすると、2回目以降はパッチをあてたバージョンで問題なく起動できるようになる。

XPで開発されVista以降では動かなかったアプリをUACの確認画面で動作させるようにしたところ
XPで開発されVista以降では動かなかったアプリをUACの確認画面で動作させるようにしたところ。

 Windows 7に用意されたXPモードについてのデモは、古いIE6にしか対応していないウェブアプリケーションを動かすというものだった。「XPモード」とは、Windows 7のサービスとして起動されたXPのことである。このXP上でIE6などの古いアプリケーションを動かすことができるようになる。

Windows 7のXPモードでIE6を起動させたところ
Windows 7のXPモードでIE6を起動させたところ

Optimized Desktopによるデスクトップ仮想化

 そして、クラウド時代への対応という点では、テレワーキングや仮想化環境などワークスタイルの多様化に対応するため、Windows 7のデスクトップ環境も最適化されるとして、Optimized Desktopという機能も紹介された。

 このデモは、Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)に含まれるApplication Virtualization(App-V)の機能を使ったものとなった。この機能を使えば、Windows 7で実行するアプリケーションが実際にインストールされていなくても、利用することができる。Office 2003などの古いアプリケーションは、仮想化によるプロビジョニング(リソースを事前予測して準備しておきユーザーの要求に応じて迅速に割り当てること)で、ローカルにソフトウェアを残さずに利用を続けることができる。これは、管理者側からすると、メンテナンスやセキュリティ上のメリットがある。

デスクトップにはExcel 2003と2007のアイコンが表示されているが、2003はインストールされていない
デスクトップにはExcel 2003と2007のアイコンが表示されているが、2003はインストールされていない

 また、デスクトップの最適化ということで、単純なアプリケーションの仮想化だけでなくデスクトップやユーザープロファイルなどもプロビジョニングできるそうだ。したがって、ユーザー側としても、異なるPCや端末からのログインでも同じWindows 7であれば、設定したデスクトップや、仮想化されたアプリケーションの状態、データにアクセスできるというメリットが生まれる。

 デモでは、コントロールパネルではインストールが確認できないWord 2003がデスクトップ上にはアイコンがあり、実際に起動ができるというものと、編集中のWordファイルと設定したデスクトップのテーマなどが、まったく別の場所にあるPCでも、自分のアカウントでログインすればそのままの環境が再現されるというものが行われた。

手元のPCのWordファイルのうち、聴講者に選んでもらった箇所にマーキングを行い、これが別の場所(拠点)のPCからでも確認できるかどうかのデモ
手元のPCのWordファイルのうち、聴講者に選んでもらった箇所にマーキングを行い、これが別の場所(拠点)のPCからでも確認できるかどうかのデモ
別拠点で自分のアカウントでログインし、設定した壁紙や編集中のWordファイルが確認できた
設定した壁紙や編集中のWordファイルが確認できた

 なお、この機能は当然ながら、Windows Server 2008との連携が必要となる。


 Windows Server 2008 R2と、Office 2010に関する模様は、後編でお伝えする。

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この記事の著者

中尾 真二(ナカオ シンジ)

フリーランスのライター、エディター。アスキーの書籍編集から始まり、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは当時は言わなかったが)はUUCPの頃から使っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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