PowerPointに動画を貼り付けiPhoneで確認
――Office 2010の三種の神器はPC、電話、ブラウザ
サーバーの管理者は、Windows Server 2008 R2によってクラウド時代に対応するとして、サービスやソフトウェアを利用するユーザー側の環境はどうだろうか。Office 2010を筆頭にエンドユーザー環境も変化していくようだ。Office関連製品のデモには、米国のマイクロソフトからコーポレートバイスプレジデント Officeプロダクト マネジメントグループ 沼本健氏が登壇した。

沼本氏は日本人としては初のバイスプレジデントとして本社においてOffice製品の責任者として、現在各種2010シリーズを監督しているという。年内にはExchange Server 2010をリリースし、その後Office 2010、Visio 2010、SharePoint Server 2010などをリリースしていく予定だとした。
続けて、新しい2010シリーズのプロダクティビティビジョンは、ユーザーエクスペリエンス、選択肢と価値、統合プラットフォームの3つにあると述べた。ユーザーエクスペリエンスについては、ユーザーの作業環境はPCと携帯電話、ブラウザという3つのツールを連携させた新しいインターフェイスを構築することだそうだ。2つ目の選択肢と価値については、IT資産をクラウドやオンプレミスなどどちらか一方にこだわるのではなく、目的に応じた適用が可能な機能やサービスを提供していくというものだ。3つ目の統合プラットフォームとは、Officeの各ツール類をビジネスインテリジェンスやバックエンドシステムとの連携を強化し、システム全体を統合管理できるようにしていくこととした。

この3つのビジョンを実現するものとして、新しいOffice製品のいくつかの機能によるデモになると、メールヒントという機能では、各ユーザーのOutlookと連携し、メールを出す前に相手のスケジュールを確認できるという機能、スパークラインという機能では、Excelデータの折れ線グラフを表の行ごとにひとつのセルに表示する機能、スライサーというピボットテーブルのビジュアル操作を可能にする機能などが紹介された。また、Offcie 2010シリーズでは、ユーザー調査の結果評価も高く、利用度も高いリボンUIをすべての製品に適用するとも述べた。

これらのソフトウェアのユーザーエクスペリエンスを向上させるとして、作成中のExcelの表をグループ内の別ユーザーがブラウザ経由でアクセスするというデモも行われた。ブラウザからExcelを起動するのではなく、リモートのファイルにSharePoint Server経由でブラウザを使ったアクセスが可能になっている。ブラウザからはExcelはウェブサービスとして提供される形だ。ブラウザはIEだけでなくFireFox、Safariにも対応していくそうだ。これによって、各ユーザーはブラウザ経由で、さまざまなOfficeファイルを共有したり共同作業をすることができるようになる。もちろん、自分のファイルを出張先のPCからブラウザだけでも操作できる。

Officeウェブアプリの提供方法について、沼本氏は、基本的にはWindows Liveユーザーへの提供と、ビジネスユーザーにはWindowsオンラインサービスを契約している場合、そして現在Office製品のボリュームライセンスを契約しているユーザーということになると述べた。そして、この対象は全世界で5億人に達すると述べた。
そして、次期SQL ServerのGemini(沼本氏はジェミナイと発音)を使ったExcelで1億行のデータを操作するデモやVisioのデモなどが行われた。最後は、PowerPointに強化されたグラフィック機能についてのデモだ。これはシネマティックと呼ばれる機能で、SilverLightによるリッチコンテンツの素材やエフェクトがPowerPointのスライドに取り込めるというものだ。画像の切り替えにアニメーションや特殊効果を適用したり、さらに動画の再生・編集機能も強化された。デモでは、これらの素材を通常のPowerPointのグラフィック要素を張り付けるような感覚で作り上げていった。

出来上がった動画つきのスライドをスライドショーで確認するわけだが、このときブロードキャストスライドショーという機能を使うと、ブラウザ経由でスライドショーを共有できるURLを生成してくれる。これを、グループ内などで共有し、PowerPointを持っていない、起動していないユーザーでもブラウザだけで閲覧することができる。ブロードキャストされる側はブラウザだけでよいので、じつはPCである必要はない。PDAやスマートフォンでもOKなのだ。デモでは、ブロードキャスト先として別のPCとiPhoneに同じスライドショーを表示させ、セッションを終了した。

Windows Server 2008 R2の機能もOffice2010の機能も、すでに公表されている機能がほとんどだが、実際に動いている製品でのデモはインパクトがあった。また、リリースや説明だけでイメージがわきにくかった機能も、デモや実演で見せられると納得の度合いも変わってくる。そんな基調講演だった。
