プロジェクトを作成する
では、さっそくVaadinを使ってみましょう。最初にプロジェクトを作成します。Eclipseでは、Webの開発は動的Webプロジェクトを使用しますが、Vaadinでは独自のプロジェクトを使用します。
[ファイル]-[新規]-[新規プロジェクト]メニューを選び、現れた「ウィザードを選択」画面で、[Vaadin]フォルダ内の[Vaadin Project]を選んでください。
続いて、Vaadin Projectの設定画面になります。ここでプロジェクトの細かな設定を行います。設定内は次のとおりです。
- プロジェクト名:ここでは"myvaadin"としておきます
- プロジェクト・コンテンツ:[デフォルトの使用]をONにしておきます
- Target runtime:使用するランタイム設定を指定するものです。それぞれの環境で用意されているランタイム設定を選択してください
- 構成:ターゲットランタイムと連動して、デフォルトの構成を選択しておいてください
- Deployment configuration:Vaadinのデプロイメント設定です。ここでは[Servlet(default)]を選択しておきます
- Vaadin Version:Vaadinのバージョン設定です。ただし初期状態ではまだ選択できません
実際やってみると、[Vaadin Version]という項目だけは選択肢がなく、選択できない状態だと思います。これはまだVaadinのライブラリが用意されていないためです。[Vaadin version]のポップアップメニューの右側にある[ダウンロード]ボタンをクリックすると、ダウンロードするバージョンを選択するためのダイアログが現れます。ここで最新版である[6.2.3]を選び、[OK]ボタンをクリックします。
これで、サーバからVaadinのライブラリをダウンロードし、利用できるようになります。Vaadin versionのポップアップメニューを見てください。選択したバージョンが追加されて、使用できるようになっているはずです。このバージョンを選択し、完了すれば、プロジェクトが作成されます。
プロジェクトの内容と実行
では、作成されたプロジェクトを見てみましょう。プロジェクト・エクスプローラーを見てみると、[myvaadin]フォルダの中に、多数の項目が作成されているのが分かります。これらが、新規プロジェクトで用意されるものです。主なものをざっと説明しておきましょう。
- デプロイメント記述子:これは、web.xmlに記述された項目を整理し表示するものです。動的Webプロジェクトでも見たことがあるはずなので分かるでしょう
- Javaリソース src:Javaのソースコードが作成される場所です。デフォルトでMyvaadinApplication.javaというファイルが作成されています
- JavaScript Resources:プロジェクトでJavaScriptを使用するためのライブラリです
- build:ビルドされたものが保管されます
- WebContent:デプロイされるディレクトリです。ここにweb.xmlや、Vaadinのライブラリなどがまとめられています
では、作成されたファイルの内容などは後回しにして、プロジェクトを実行してみましょう。プロジェクト・エクスプローラーからプロジェクトのフォルダを選択し、[実行]メニューの[実行]-[サーバーで実行]を選びます(ツールバーの実行ボタンから選択してもかまいません)。
画面に、サーバで実行するための設定を行うウインドウが現れます。ここで使用するサーバを選択します。[既存のサーバーを選択]を選び、それぞれの環境で使っているJavaサーバを選択してください。次に進んで、サーバで公開するプロジェクトを選択することもできますが、このまま終了してサーバを実行してしまってもかまいません。
実行すると、指定のJavaサーバが起動します。同時に、エディターのエリアにWebブラウザが開かれ、公開されたプロジェクトのURLに自動的にアクセスを行います。画面に「Hello Vaadin user」というテキストが表示されたでしょうか。これが、作成したプロジェクトのページです。このようにテキストを表示する簡単なプログラムが初期状態で用意されているのです。