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Silverlight 3徹底入門

Silverlight 3で強化された実行環境

Silverlight 3徹底入門(8)

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 前回は、Silverlight 3のスタイルや値の検証機能を解説しました。今回は、引き続きSilverlightの新機能を支えているものの中から、強化されたSilverlightの実行環境に目を向けて説明していきます。

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はじめに

 前回と今回の2回にわたり、Silverlightの縁の下の力持ちたちを紹介しています。

 前回はSilverlight 3で強化されたスタイルと値の検証について簡単に解説を行いました。今回は、Silverlightの実行環境に目を向けて解説を行っていきます。

Silverlight 3 実行環境の強化

 では、実行環境の強化について触れていきます。こちらはデザインというよりもアプリケーション開発を行ううえで嬉しい機能が多く追加されています。ローカルアプリケーション間の通信やアプリケーションライブラリキャッシュ、アプリケーション拡張サービスなどは、使い方次第で大きなインパクトがありそうです。

ローカルアプリケーション間の通信

 Silverlight 3の面白い新機能の1つにローカルアプリケーション間の通信の追加があります。これは、同じコンピューター内であれば、Silverlightアプリケーション同士でメッセージ通信が行えるというものです。利用シーンとしてはあまり多くありませんが、1つのページに複数のSilverlightアプリケーションが存在する場合や、ブラウザ外実行のアプリケーション同士でメッセージのやり取りを行う場合に利用できます。

 次の例は、メッセージをLocalMessage1というSilverlightアプリケーションからLocalMessage2というSilverlightアプリケーションに送信しています。

 LocalMessage1側のアプリケーションでは、ボタンクリック時にLocalMessageSenderクラスを利用して、MessageTestというキーで待ち受けているアプリケーションにメッセージを送信します(リスト1)。

[リスト1]ローカルメッセージ通信送信側コード(MainPage.xaml.cs)
LocalMessageSender messageSender = new LocalMessageSender("MessageTest");
messageSender += (_sender, _e) => { 
  if (_e.Error != null) 
    MessageBox.Show("失敗!!");
};

/// <summary>
/// メッセージ送信ボタンのイベントハンドラーです。
/// </summary>
private void Button_Click(object sender, RoutedEventArgs e)
{
  messageSender.SendAsync("てすと");
}

 受信側は送信側と同じキーを元にLocalMessageReceiverクラスのインスタンスを作成し、メッセージを受信した時のイベントハンドラーを設定後、メッセージの待ち受けを行います(リスト2)。

[リスト2]ローカルメッセージ通信受信側コード(MainPage.xaml.cs)
LocalMessageReceiver messageSender = new LocalMessageReceiver("MessageTest");

public MainPage()
{
  InitializeComponent();

  // 受信時のイベントハンドラーを登録
  messageSender.MessageReceived += (sender, e) =>
  {
    MessageBox.Show(e.Message);
  }

  // メッセージの待ち受けを開始
  try
  {
    messageSender.Listen();
  }
  catch (ListenFailedException ex)
  {
     RecieveMessage = string.Format("メッセージの待ち受け開始中にエラーが発生しました。{0}", ex.ToString());
  }
}

 実行すると図1のように、Silverlightのアプリケーション間でメッセージの受け渡しができることを確認できます。

図1 送信結果
図1 送信結果

 今回は単なる文字列を送受信しただけですが、例えば送信するメッセージをJSON形式の文字列としてオブジェクトをシリアライズし、メッセージを送信することで、複雑なメッセージのやり取りを行うことも可能です。JSONを使ったメッセージ交換をサンプルプログラム(Messageプロジェクト)に含めているので、興味があったら覗いてみてください。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト かるあ (杉山 洋一)(カルア(スギヤマ ヨウイチ))

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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