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Silverlight 3徹底入門

Silverlight 3で強化された実行環境

Silverlight 3徹底入門(8)

アプリケーションライブラリキャッシュ

 XAPファイルの中にはXAMLやXAMLで参照している画像、アプリケーションの動作が記述されているDLLなど多くのファイルが圧縮されて格納されています。このためアプリケーションが拡大していくとXAPのファイルサイズが巨大になってしまい、XAPファイルのロードだけでもそれなりの時間がかかるようになってしまいます。

 Silverlight 3からは、頻繁に使われるがあまり更新がないDLLに関してはビルドの際にXAPの外に追い出し、2度目以降のXAPのロード時に読み込み時間を短縮する仕組みが追加されています。

 アプリケーションライブラリキャッシュを有効にするためには、次の2つの手順で作業を行う必要があります。

  1. プロジェクトのプロパティでアプリケーションライブラリキャッシュを有効にする
  2. キャッシュするアセンブリのアセンブリマップファイルを定義する

1. プロジェクトのプロパティでアプリケーションライブラリキャッシュを有効にする

 アプリケーションライブラリキャッシュを利用するためには、Silverlightプロジェクトのプロパティで[アプリケーション ライブラリ キャッシュを使用して XAP を縮小する]にチェックを入れます(図3)。

図3 アプリケーションライブラリのキャッシュ設定
図3 アプリケーションライブラリのキャッシュ設定

 ブラウザ外実行を利用する場合は注意が必要です。ブラウザ外実行の場合はすべての起動アセンブリが起動元のXAPファイルに含まれている必要があるため、ブラウザ外実行とアプリケーションライブラリキャッシュは同時に使用できません。Silverlightのプロパティ画面で[アプリケーション ライブラリ キャッシュを使用して XAP を縮小する]と[アプリケーションのブラウザ外実行を有効にする]の両方にチェックを入れようとすると、図4のダイアログが表示され両方を有効にすることができません。

図4 ブラウザ外実行とキャッシュの競合
図4 ブラウザ外実行とキャッシュの競合

2. キャッシュするアセンブリのアセンブリマップファイルを定義する

 アセンブリをキャッシュさせたい場合は、キャッシュ対象のアセンブリの情報を記述したマッピングファイルをキャッシュさせたいアセンブリのプロジェクトに追加する必要があります。

 マッピングファイルは「アセンブリ名.extmap.xml」とする必要があるので、例えば先ほどのアプリケーション拡張サービスで使ったアセンブリをキャッシュさせたい場合、マッピングファイル名は「FrameworkSample.extmap.xml」となります。

 リスト7にマッピングファイルのサンプルを示します。

[リスト7]FrameworkSampleアセンブリのマッピングファイル(FrameworkSample.extmap.xml)
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<manifest xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
          xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
  <assembly>
    <name>FrameworkSample</name>
    <version>1.0.0.0</version>
    <publickeytoken>*</publickeytoken>
    <relpath>FrameworkSample.dll</relpath>
    <extension downloadUri="FrameworkSample.zip" />
  </assembly>
</manifest>

 アセンブリの名前やパブリックキートークンなどは、Reflectorなどの逆アセンブルツールを使うと簡単に確認できます(図5)。

図5 Reflectorで確認した、FrameworkSampleのアセンブリ情報
図5 Reflectorで確認した、FrameworkSampleのアセンブリ情報

 マッピングファイルはDLLと同じフォルダに配置する必要があるので、FrameworkSample.extmap.xmlのプロパティで出力ディレクトリにコピーの値を[常にコピーする]に変更しておきましょう(図6)。

図6 FrameworkSample.extmap.xmlのプロパティ
図6 FrameworkSample.extmap.xmlのプロパティ

 これで準備は終了です。実際にVisual Studioから実行してみてください。

 SilverlightをホストしているWebプロジェクトのClientBinディレクトリーに、通常のXAPファイルとは別に、アプリケーションアセンブリキャッシュとして外に出したアセンブリがアセンブリ名.zipとしてコピーされたのを確認できると思います(図7)。

図7 アセンブリキャッシュ後のClientBinフォルダ
図7 アセンブリキャッシュ後のClientBinフォルダ

まとめ

 いつの間にか第8回まで来てしまった本連載ですが、Silverlight 4のリリースに伴いいったん今回で終了となります。Silverlight 3の新機能が思ったよりもボリュームがあったのも手伝って、全編を通してかけ足になってしまった気がしますが、どうだったでしょうか。少しでも皆さんのSilverlight開発のお役に立てたのであれば嬉しいです。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト かるあ (杉山 洋一)(カルア(スギヤマ ヨウイチ))

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

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