フレームワークを使いこなすには全体像の把握が必須
部分部分の実装程度を任され、自分が担当する部分に関してはだいぶ自信を持てるようになってきたけれども、「システム全体について理解しているかと言われると、まるで自信がない」なんてことはありませんか。
先ほども言いましたが、最近のアプリケーションの多くはフレームワークを活用して開発されています。フレームワークの恩恵を最大限受けるためにも、フレームワークの全体像を把握することが必要です。
そこでまず、.NET Frameworkの全体像を見ていきましょう。全体像を理解しないまま開発を進めると、技術の選択を間違えてしまい、フレームワークを利用したにもかかわらず、かえって開発効率を落とす原因にもなりかねません。
昔の苦労と今の苦労
先輩からプログラミングを教わる際、「最近は、プログラミング言語を教えているのか、ツールの使い方を教えているのか分からない」なんて言われることもあるかもしれません。しかし、フレームワークの高度化や開発ツールの高度化に伴い、昔と今ではプログラミングのスタイルが(もちろん、学習方法も含めて)大きく変わっています。
「苦労は買ってでもしろというけど、最近の若い子ときたら甘やかされ放題で、自分が苦労した部分を抜かしてきている」なんていう先輩方もいると思いますが、現在は「やらなければいけないこと」と「知らなければいけないこと」が非常に高度化しています。苦労しなきゃいけない場所自体が変わっているんですね。
フレームワークには、先人の築き上げてきたノウハウが詰まっています。フレームワークを使うということには、「先人の知恵に学ぶ」ということと「先人が苦労したことはフレームワークに任せて、もっと高度な部分に力を注ぐ」という2つの意味があります。
チーム開発でのフレームワークの活用
学生または個人的な趣味としてプログラミングするのとは異なり、仕事としてアプリケーションを開発する場合は複数人で開発することがほとんどというのが現状です。一般的に利用されるアプリケーションは規模が大きく、チーム開発が必須となります。
チーム開発では開発ルールといったものを導入し、開発スタイルを統一する必要があります。こうした場合にも、共通的な処理をフレームワークに任せることで、フレームワークの恩恵を受けることができます。
また、規模の大きなアプリケーションの動作確認には大変な手間がかかります。昔は開発者が一つ一つのテスト項目を手動で確認していましたが、最近はそうした手間を減らす手助けをするテストフレームワークも存在します。
フレームワークを利用することで、個人の開発を手助けするだけでなく、チームで開発をする場合でも大きな恩恵が受けられます。