クラウドの実現に必要な要素技術
クラウドを実現するにあたって仮想化が必要か、という問いに対しては10段階評価で平均7.5。こちらも日本が最も高く(8.0)、全体的にクラウド実現に仮想化が必須なことは共通認識となりつつあるようだ。特に、日本の業種では銀行・証券、通信、IT、従業員数では100人以上の企業がその意識が高い傾向にあったという。

クラウドを実現するための基礎要件については、日本では「管理の自動化」(69%)、「99%以上のSLA」(47%)、「従量課金モデル」(46%)の順に高かった。日本以外では「仮想化インフラ」が第一条件として挙げられたという。

クラウドの導入にユーザー企業が期待するもの
クラウド導入のメリットについては、日本は「戦略投資」が35%であるのに対し、「コスト削減策」が59%と、まだまだコスト削減に対する期待が高い。その他の国では「戦略投資」が「コスト削減策」を若干上回るなど、積極的な投資の側面に期待する傾向があるようだ。

また、クラウド導入の検討材料としては、日本とシンガポールで「ハードウェアコストの削減」が最も高く、アジア全体では「ビジネス状況に合わせた拡張性」が多いと、先ほどと同様の反応が得られた。なお、日本でも通信、IT、金融といったクラウド/仮想化の導入が進んでいる業種では、拡張性やオンデマンドでのサービス提供に対する期待が高めだったとしている。

クラウド導入に対する障壁については、アジア全般と同様に日本でも「セキュリティ」(57%)が首位。「既存システムとの連係」(45%)、「データ機密、所在管理」(39%)が続く。クラウドの知識、理解不足に対する懸念は日本(26%)では軽減されつつあるが、新興国では40%前後と依然として残っているとしている。

コスト削減から戦略投資への視点転換が必要
柏木氏は今回の調査結果について「日本企業のクラウドに対する関心は非常に高い。仮想化=クラウド実現の条件という意識も高い。クラウドに対する期待はコスト削減が最も強く、セキュリティ懸念がクラウド導入の最大の障壁」とまとめ、「コスト削減は通過点に過ぎない。新技術導入の本来の目的は企業競争力の強化、変革力の創造。リスク抑制策を講じつつも積極的に試験導入すべき。ユーザー企業はベンダーに頼りすぎず自ら正しい知識を身につけて決断し、システム領域ごとにベストと思われる構成を積極的に検討すべき」とクラウド利用に対する所見を述べた。
ヴイエムウェア社では、このようなニーズにマッチする仮想化を主体にしたクラウドソリューション群を提供しており、ITインフラのリソースをプールしてオンデマンドでサービス提供を行う「IT as a Service」というコンセプトを推し進めている。今回のイベント「VMware vForum 2010」でも、インフラ構築から開発まで、ソリューションを実現する製品に関する数多くのセッションが設けられ、過去最大の7,000人規模の来場者が集ったようだ。デバイス中心のコンピューティングからユーザー中心のコンピューティングを目指すという同社の展開を今後も期待したい。
【関連リンク】
・VMware vForum 2010
・ヴイエムウェア株式会社
・スプリングボードリサーチ
