自動化処理や、多彩なアウトプットに対応するオプション群
System5000は、Windows APIの方式による帳票作成、帳票印字をはじめとする多くのAPIをDLL形式で提供しており、他のシステムと連携することも可能だ。このほか、既にあるトリニテートのオプション製品群を見ると帳票に関するあらゆるニーズに対応していることがわかる。
『BookMan』は、バッチ処理によるCSVなどの帳票元データから帳票の作成を自動で処理する運用自動化ツール。ここから紙に印刷したい場合は、自動印刷ツールの『Spool Writer』を経てプリントが可能だ。紙へのプリントでなく、PDFファイルとして出力する『PDF Option』ツールも備えている。さらにCD-RやDVD-Rなどの外部メディアに、ビューワ環境とともに書き込む『DiskMan』も備えている。
こうしたトリニテートの一連の操作をWebブラウザから利用可能にしたのが、2010年秋にリリースされた『トリニテートWebEdition』。荻田氏は、「社外からもアクセスして帳票を利用できます。帳票をサーバーで一括管理し、HTTPS通信のサポートや、PC側にはキャッシュを残さない仕様、ユーザーごとの閲覧権限の設定などによって、セキュアな帳票運用が可能です。また、必要なデータのみを転送しますので、表示が速く、検索もスピーディーです」と語る。印刷した紙や、PDFファイルをPCに保存して持ち歩く場合、情報漏えいリスクが伴うが、Web経由で帳票を参照するようにすればこうした心配はなくなる。また大規模での利用を想定し、サーバーの並列稼動による負荷分散処理にも対応しているという。
導入から開発、保守・メンテナンスまで安心の体制
トリニテートのユーザー企業は、必要に応じてオプションを導入し、さまざま課題を解決している。谷津氏に導入企業の規模を聞くと、「導入企業は400社近くで、数人のチーム単位での利用から、数万ユーザーでの利用まで、規模はさまざまです」とのこと。大規模ユーザーは予測できたが、数人単位で利用するユーザーがいるとは意外だ。
さまざまな導入事例
導入事例を尋ねると、荻田氏は「面白い例ですと、コールセンターを持つお客様での導入事例があります。そのコールセンターではお客様に手紙をお送りし、その内容に関する問合せが来たとき、オペレーターさんがお客様に送った手紙と全く同じ内容の電子帳票を見ながら対応されています。すばやい検索によって表示された画面から適格な応対ができますので顧客満足度の向上につながった事例です」と説明した。
このほか、約750種、120万ページあった処理量をトリニテート導入後に倍増しながら、ペーパーレス化とデータの二次利用の効率化を図った例、自動処理により出力にかかる処理時間を大幅に短縮した例、帳票の種類が多く改訂も頻繁にあったため、多大なプログラム開発工数がかかっていたが、それを削減できた例、コンビニ支払いでの請求対応のために専用のバーコードを付与した帳票を容易に作成した例など、さまざまな課題を解決した事例が案内された。
コストパフォーマンスに優れ、サポートも充実
さらに荻田氏は、競合製品と比較した場合のコスト面での優位性も語った。帳票を作成するエディタだけでは価格が安い競合製品もあるが、顧客の課題を解決するためにトータルなシステムを導入しようとすると、どうしてもコストが高くなりがちだという。トリニテートは、System5000をコアに必要に応じたオプションを組み合わせて利用できるため、トータルに考えるとコストパフォーマンスに優れているという。「特に大規模になればなるほど、メリットは大きくなります。トリニテートに乗り換えたお客様の中には、従来のシステムの年間保守料の範囲で新規導入できたところもあります」と荻田氏は説明した。
手厚いサポートも同社が強化している点のひとつ。トリニテートは自社開発の製品であり、サポートも自社内のスタッフが行う体制をとっている。谷津氏は「競合製品にはサポートをアウトソースしてマニュアル的な対応しかできないところもありますが、トリニテートの場合は、開発に携わった当社社員がサポートを行っていますので、製品に精通したスタッフが、スピーディーに対応できます」と語った。
また同社は、トリニテートのシステム提供だけでなく、帳票設計の受託も行っている。その他にも業務システムとトリニテートのインターフェースの開発やシングルサインオンなどに代表される認証の簡略化に向けたWeb開発などをはじめとしたシステム設計・開発はもちろん、システム運用管理、データの入力業務まで幅広くお客様の課題を解消すべく、あらゆる面でサービスを提供している。
最後に谷津氏に今後の方向性について聞くと「あらゆる帳票をお客様のニーズに合わせて作成し、ご利用いただける様にバージョンアップしていきたいです」とした。小規模から大規模まで導入実績もあり、将来的な保守の安心感もあるトリニテート。その導入にあたっては、デモ版を試用して判断することも可能だ。同社のサイトにて問合せを受け付けている。