高信頼性と高互換性で既存アプリケーション資産を保護
――アプリケーションサーバー製品には、ほかのベンダーの製品やオープンソースのものなど、さまざまな製品が存在しますが、WAS V8はそれらと比較した場合にどのような特徴を備えているのでしょうか?
田中氏 先ほど一部を挙げたような豊富な機能はもちろんですが、品質の高さも大きな特徴だと思います。新製品には初期バグが付き物だと思われるかもしれませんが、WAS V8は2010年3月からα版やβ版を随時一般ユーザーに広く公開して、評価していただきました。
実際に使っていただいたお客様からも、「使用感が変わらないので、本当に新バージョンを使っている感じがしない」といった声もいただきました。従って、出荷直後の製品であっても、致命的なバグはほとんどないと言っていいでしょう。
また、パフォーマンスと運用効率に極めて優れるため、ユーザーにとってはTCOの面で大きなメリットがあります。パフォーマンスが高ければ、その分少ないITリソースで運用できるため、ハードウェアコストや運用管理の工数を大幅に削減できるはずです。
さらには、信頼性も他製品と比較して極めて優れていると自負しています。クラスタやHA構成での運用に対応していますし、万が一トラブルが発生した場合でも迅速に問題を切り分けられる仕組みが備わっています。また、IBMが万全の製品サポート体制を敷いているので、サポート面でも安心して使っていただけます。こうした点は、エンタープライズシステムでの運用を前提とした場合、オープンソース製品にはない大きな利点だと思います。
――これまで旧バージョンのWAS V7で利用していたアプリケーションは、WAS V8でも利用できるのでしょうか?
田中氏 旧バージョンとの高い互換性を維持しているのも、WAS V8の大きな特徴の1つです。WAS V7向けに開発されたアプリケーションは、ほとんど修正することなくWAS V8の上でそのまま稼働します。また、WAS V7用アプリケーションの開発で作成した設計書や運用手順書なども、そのままWAS V8環境に流用できます。
一般的に、アプリケーションサーバーのバージョンアップは、その上で動作するアプリケーションの修正作業を伴うために避けて通る企業も多いのですが、WAS V8なら極めてスムーズに移行できるでしょう。その上でさらに、これまで述べてきたような数々の新機能をアプリケーションに実装することもできるわけです。WAS V8の導入は、効率的かつ低リスクでJavaアプリケーションの高機能化を図ることができる最上の手段だと思います。
日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 WebSphere 第一クライアントテクニカルプロフェッショナルズ。1998年日本アイ・ビー・エム入社。2000年よりソフトウェア事業で WebSphere Application Server の技術者として日本でのセールス活動に携わる。日本語での WAS の技術文書の執筆なども多くおこなっている。
・ 日本アイ・ビー・エム株式会社(http://www.ibm.com/jp/ja/)
今回のインタビューに対応いただいた田中氏は、2011年7月14日(木)に東京都内で開催されるWebSphereブランドの年次カンファレンス「IMPACT 2011」でも、「WebSphere Application Server V8.0変わるところ・変わらないところ」と題した講演を予定しています。詳しくは公式サイトをご覧下さい。
<WebSphere Application Server V8.0 アナウンスメント・ワークショップ>
また、8月4日(木)と5日(金)の2日間、WAS V8.0の新機能を紹介する技術者向けワークショップの開催を予定しています。1日目は、新機能の概要とWASインフラ構成を、2日目は、Java EE 6仕様の更新部分や、WAS V8.0のアプリケーション関連の新機能など、アプリケーション開発に関する内容を紹介する予定です。
その他、記事内で紹介した最新版の「WebSphere Application Server V8」に関する情報もご覧下さい。