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Windows Azure新機能チュートリアル

Windows Azure 第3のロール VMロール編

Windows Azure新機能チュートリアル(6)

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VMロールプロジェクトの作成と配置

 ここからは、VMロールプロジェクトを作成します。はじめに、Visual StudioでWindows Azureプロジェクトを作成します。

 Visual Studioを起動し、[ファイル]-[新規作成]-[プロジェクト]を選択します。Windows Azureプロジェクトを選択し[OK]ボタンをクリックします。新しいWindows Azureプロジェクト作成画面が表示されるため、何も指定せず[OK]ボタンをクリックし、ソリューションを作成します。

 クラウドプロジェクトの「ロール」を選択し、[追加]-[新しい仮想マシンロール]を選択します(注5)。プロジェクトそのものは追加されず、サービス構成ファイルと、サービス定義ファイルにVMロールに必要な情報が構成されます(図18)。

図18:VMロールの追加
図18:VMロールの追加
注5

 [新しい仮想マシンロール]は通常の状態だと表示されません。ベータプログラム申し込み後に送付されてくるメールの手順にしたがって有効化する必要があります。

 次に、このVMロールで使用するVHDイメージを選択します。[ロール]-[VMRole1]を選択しダブルクリックし、VMロールのプロパティエディタを開き「仮想ハードディスク」タブを選択します(図19)。

 Windows Azureアカウントは、Visual StudioからWindows Azureの管理APIに接続可能なアカウントを選択します。既にVisual StudioからWindows Azureにプロジェクトを配置できるように設定済みであれば、それが使用できます。

 VHDイメージは、選択されたアカウント上にアップロードされたVHDイメージが選択可能です。

図19:仮想ハードディスクの選択
図19:仮想ハードディスクの選択

 VMロール上のIISへ接続できるようにするため、エンドポイントの設定を行います。「エンドポイント」タブを選択します(図20)。

 Windows Azure 外部からのリクエストを受け付けるため、エンドポイントの種類は、「Input」を選択します。IISを構成したので、プロトコルは「http」、パブリックポートおよび、プライベートポートはともに80番を指定します。これにより、外部からHTTP 80番ポートのリクエストをVMロールへルーティング可能となります。

図20:エンドポイントの設定
図20:エンドポイントの設定

 VMロールのデプロイ方法は、通常のWeb、Workerロールと同様です。「VMRoleSample」プロジェクトのコンテキストメニューから「発行」を選択し、Windows Azure上に配置します。

 Administratorアカウントは無効化されているため、VMロールへのリモートデスクトップ接続には、Visual Studioからのリモートデスクトップの設定が必要です。「Windows Azureの運用/デバッグを効率化する リモートデスクトップ」を参考に設定を行ってください。Administrator以外のアカウントが設定済みでかつリモートデスクトップ接続が許可されていれば、ここで設定しなくても問題ありません。

VMロールの動作確認

 VMロールの配置が完了したら、ブラウザでアクセスしてみます。IISが設定済みであるため、下図の画面が表示されれば問題なく動作しています(図21)。

図21:VMロールのIISへ接続
図21:VMロールのIISへ接続

 VMロールにリモートデスクトップ接続しても、他のロールと同様であることが確認できます(図22)。

図22:リモートデスクトップ接続
図22:リモートデスクトップ接続

まとめ

 ここまでで、単純なVMロール向けVHDファイルの作成からアップロード、配置までの感触をつかんで頂けたでしょうか。

 前述したようにVMロールの準備では一般化が必要ですが、ソフトウェアが対応していなかったり、永続化ストレージが十分に準備されていなかったりと、運用するには厳しい面があります。今後の機能向上に期待したいところです。

 次回は引き続き、VMロールにおける差分VHDの扱いと、いくつかのTipsについて説明したいと思います。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト statemachine(statemachine)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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