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Windows Azure新機能チュートリアル

Windows Azure 第3のロール VMロール編

Windows Azure新機能チュートリアル(6)

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OSのインストール

 仮想マシンの作成が完了したら、引き続きOSをインストールします。先ほどの手順でインストールイメージを指定しているため、仮想マシンを起動するとインストールが開始されます。インストールにおいては、「Server Core Installation」ではなく、「Full Installation」を選択してください。他に注意することはありません。通常のWindowsサーバーのインストールと同様に進めてください。

VMロール向けの設定

 OSのインストールが完了したら、VMロール向けに以下の設定を実施します。

  1. ネットワーク接続の設定
  2. Windows Update の自動実行を無効化とWindows Updateを実行
  3. .NET Framework 3.5.1 のインストール
  4. VMロール向け統合コンポーネントのインストール
  5. 任意のソフトウェアの設定など
  6. Sysprepコマンドで一般化(Generalize)

 それでは、個々の設定手順を説明します。ただし、VMロールの実行のみを目的とした検証においては、1.2.は省略してもかまいません。また、この設定は通常のWindows Serverと同じ操作であるため、説明は省略します。

 次に、必須コンポーネントである、.NET Framework 3.5.1 のインストールを行います。

 仮想マシン上で、Server Managerを開きます。左ペインの[Features]を選択し、中央ペインの[Add Features]をクリックします。ウィザード画面が表示されるため、.NET Framework 3.5.1 を選択し機能をインストールします(図8)。

図8:.NET Framework 3.5.1の追加
図8:.NET Framework 3.5.1の追加

 次に、VMロール向けの統合コンポーネントをインストールしますが、これには以下の設定変更を含んでいます。

  • システムロケールをEN-USに設定します。
  • システムのタイムゾーンをUTCに設定します。この設定を変更してはいけません。
  • Windows Updateをオフにします。
  • 管理者パスワードを設定します。後述するSysprep(注2)コマンド実行後、次回この仮想マシンにログインするのに必要です。
注2

 Sysprepとは、システム準備ツールと呼ばれているもので、Windowsを複製して利用するような場合に、ユーザーやコンピュータ固有の設定を初期化します。Sysprepについての詳細は、「Sysprep テクニカル リファレンス」を参照してください。

 続いて、統合コンポーネントをインストールします。統合コンポーネントとは、VMロール向けの各種サービスのインストール、OSの設定変更、およびファイアーウォール等の設定を行うコンポーネントです。統合コンポーネントは、ISOイメージで提供されており、「C:\Program Files\Windows Azure SDK\v1.4\iso\wavmroleic.iso」に格納されています。仮想マシンのメニューから[メディア]-[ディスクの挿入]を選択し、ファイルダイアログで統合コンポーネントのISOイメージを指定します。その後、マウントされたDVDから「WaIntegrationComponents-x64」を実行します(図9)。

図9:統合コンポーネントのインストール
図9:統合コンポーネントのインストール

 インストーラーを実行すると、インストールウィザードが起動します。図10-右の[Administrator Password]は、Sysprepによる一般化(注3)後にログインする場合に必要です。忘れないように注意してください。

注3

 一般化(Generalize)とは、仮想ディスクイメージを別のコンピュータに転送して利用する場合に必要となる処理です。

図10:統合コンポーネントのインストール(1)
図10:統合コンポーネントのインストール(1)

 後はウィザードにしたがって操作すれば統合コンポーネントのインストールは完了です。

図11:統合コンポーネントのインストール(2)
図11:統合コンポーネントのインストール(2)

 統合コンポーネントのインストールによって、Windows Azure専用のサービスがインストールされるのが確認できます(図12)。

図12:Windows Azure向けサービス
図12:Windows Azure向けサービス

 任意のソフトウェアの設定やソフトウェアインストールなどがあれば、このタイミングで実施します。今回は仮想マシン上のIISを構成し、VMロールとして配置後に接続してみます(図13)。IISの設定は通常のWindows Serverと同じであるため省略します。

図13:仮想マシン上のIIS
図13:仮想マシン上のIIS

 最後に、SysprepコマンドでOSを一般化(Generalize)します。コマンドプロンプトを開き、「C:\Windows\System32\sysprep」に移動し、「sysprep.exe」コマンドを実行します(図14)。

図14:Sysprepの実行
図14:Sysprepの実行

 System Preparation Toolが起動したら、図15にしたがって、「System Cleanup Action」に[Enter System Out-of-Box Experience(OOBE)]を指定し、[Generalize]チェックボックスをオンにします(Generalizeとは前述した一般化のことです)。「Shutdown Options」には、[Shutdown]を指定し、ツール終了後にシャットダウンするように指定します。

 [OK]ボタンをクリックすると仮想マシンの構成が初期化された後、シャットダウンされます。

図15:Sysprep画面
図15:Sysprep画面

 MSDNによると、Sysprepコマンドの実行は必須となっていますが、実行しなくてVMロールが動作しないわけではありません。また、インストールしたソフトウェアによってはSysprepによって動作しなくなるものもあります。このように矛盾した状況が、VMロールを扱いづらくしている要因でもあります。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト statemachine(statemachine)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

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