Webサイトの配置
ここまででようやくWebロールアクセラレーター上に作成した、Webサイトを利用可能になりました。ここからは、通常のWebアプリケーションプロジェクトを使ってWeb配置を実施します。
[1]Webアプリケーションプロジェクトを作成する
ここではASP.NET Webアプリケーションプロジェクトを作成してみましょう。Visual Studioを起動し、[ファイル]-[新規作成]-[プロジェクト]を選択します。左ペインのインストールされたテンプレートから、[Web]-[ASP.NET アプリケーション]を選択しプロジェクトを作成します。
[2]アプリケーションを配置する
特に修正せず、そのまま配置してみましょう。プロジェクトを選択し、コンテキストメニューから[発行]を選択すると、Web配置ダイアログが表示されます(図15)。
「サービスURL」には、ホステッドサービスのURLを、「サイト/アプリケーション」には、サイト名(例:site1)を入力します。ユーザー名とパスワードには、プロジェクト作成時に設定した管理者アカウントを入力します。[発行]ボタンをクリックすると数十秒で配置が完了します。成功の可否は、Visual Studioの出力ウィンドウから確認してください。
[3]テストサイトへのアクセス
テストサイトを有効化に設定したので、テストサイトのURL(例:http://xxx.cloudapp.net/test/site1)からアクセスすることができます(図16)。
通常はサイト作成時に指定したホスト名を利用してアクセスします。テスト目的でアクセスしたい場合は、リスト1のhostsファイルにIPアドレスとホスト名の対応を記述することでアクセス可能です。IPアドレスはホステッドサービスのIPアドレスを指定してください。
65.52.168.175 site1.example.com 65.52.168.175 site2.example.com
図17は、MVCアプリケーションを配置し、site2.example.comからアクセスした例です。今回検証した限りでは、MVCアプリケーションを配置した場合、テストサイトのURLからアクセスするとエラーになりました。作成時に指定したホスト名経由の場合は問題なくアクセスできました。
発行は特定のインスタンスに対して行われますが、サービスが複数インスタンスで起動している場合は、自動的に同期処理が行われ各インスタンスに変更が行き渡ります。一時的に同期を停止したい場合は、図14の[Disable Sync]で停止することができます。
まとめ
Webロールアクセラレーターを利用すると、複数のサイトを簡単に、しかも素早くホスティングできることが理解いただけたでしょうか。通常のWebロールではWeb配置を行っても内容が永続化されませんし、複数インスタンスでのサポートもありません。これらをサポートしてくれるWebロールアクセラレーターは、Webロールの利便性を向上してくれる大変便利なツールといえるでしょう。ぜひ一度利用してみてください。