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Scott Guthrie氏 Blog翻訳

Windows Azure:Mobile Servicesに対するBizTalk Services、Traffic Manager、Azure AD App AccessとXamarinサポートをGAリリース

連載:ScottGu's Blog翻訳


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Traffic Manager:GAリリース

 Windows Azure Traffic ManagerのGAリリースも発表でき、非常にうれしく思います。

 今回のリリースは、すでに本番環境にあり、企業SLAに裏打ちされ、Microsoftサポートでサポートされているので、本番シナリオで利用可能です。

 Windows Azure Traffic Managerにより、Windows Azureでホストしているアプリケーションへのユーザートラフィックを制御できます。アプリケーションは同じデータセンター内で実行することも、世界中のさまざまな地域に分散させることも可能です。Traffic Managerは、ドメイン名のドメインネームサービス(DNS)クエリに、インテリジェントルーティングポリシーエンジンを適用することで動作し、アプリケーションの適切なインスタンスへDNSルートをマッピングします。

 Traffic Managerを使用し、アプリケーションインスタンスに問題が発生した場合に自動的に顧客トラフィックフェイルオーバーシナリオを有効にすることで、アプリケーションの可用性を向上させることができます。

 Traffic Managerを使用し、自動的に一番近いアプリケーションインスタンスにお客様をルーティングすることで(例えば、ヨーロッパのお客様をアプリのヨーロッパインスタンスに、北米のお客様をアプリのUSインスタンスに、ルーティングするようTraffic Managerを設定することができます)、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

はじめに

 Traffic Managerを設定するのは非常に簡単です。Windows Azureの管理ポータルで、New->Network Services->Traffic Managerを選択するだけです。

 Windows Azure Traffic Managerを作成するときに、使用するデフォルトのトラフィックルーティングポリシーエンジンを “load balancing method” で指定できます。上記では、“Failover”ポリシーを選択しています。

 Traffic Managerインスタンスが作成されたら、“endpoints”タブをクリックして、Traffic Managerにトラフィックをルーティングさせるアプリケーションまたはサービスのエンドポイントが選択できます。以下では、欧州で1、米国で1の2つ仮想マシンの展開を追加しています。

高可用性の有効化

 Traffic Managerは、その中に設定されている各アプリケーション/サービスエンドポイントの状態をモニターし、サービスに障害が発生した場合、他のアプリケーション/サービスエンドポイントへトラフィックを自動的にリダイレクトします。

 次の例では、Traffic Managerは、Failoverポリシーに設定されています。つまり、デフォルトでは、すべてのトラフィックが最初のエンドポイント(scottgudemo11)に送信されますが、もしアプリのインスタンスがダウンまたは問題が発生している場合(以下のように)自動的に次のエンドポイント(scottgudemo12)にリダイレクトされます。

 Traffic Managerでは、エンドポイントの状態をモニターするために使用されるプロトコル、ポート、モニタリングパスを設定できます。モニタリングパスとして、Webページはどれでも使用できますが、専用のモニタリングページを使用すると、独自のヘルスチェックロジックを実装することができます。

パフォーマンス向上の有効化

 異なる地域でアプリケーションやサービスのインスタンスを複数配置し、Traffic ManagerのPerformanceロードバランシングポリシーを使用して、自動的にエンドユーザをアプリケーションの最も近いインスタンスへ切り替えることができます。ネットワーク遅延を軽減することで、エンドユーザに対するパフォーマンスを向上させます。

 先ほど作成したTraffic Managerインスタンスには、Windows Azureのヨーロッパ西部と米国西部の両方の領域に仮想マシンを展開していました。

 つまり、ヨーロッパのお客様がアプリケーションにアクセスするとき、彼らは自動的にヨーロッパ西部のアプリケーションインスタンスにルーティングされ、北米のお客様がアプリケーションにアクセスすると、自動的に米国西部のアプリケーションインスタンスにルーティングされます。

 エンドポイントのモニタリングとフェイルオーバーは、Traffic Managerロードバランシングポリシーすべての機能であり、ただのFailoverポリシーではありませんのでご注意ください。つまり、上記のインスタンスで問題がありオフラインになった場合、Traffic Managerは自動的にすべてのユーザを問題のないインスタンスに切り替えます。

シームレスなアプリケーションの更新

 Traffic Managerで明示的にアプリケーション/サービスの各エンドポイントを有効または無効にすることもできます。これを行うには、エンドポイントを選択し、Disableコマンドをクリックするだけです。

 これは、基盤となるアプリケーションを停止せず、トラフィックを他の場所へルーティングするようにTraffic Managerに指示するだけです。これにより、アプリケーション/サービスの特定のデプロイメントからトラフィックを移行することができます。更新・テストされた後、サービスはローテーションに戻され、数回のクリックですべて完了します。

一般公開

 高可用性アプリケーションを実現する上でTraffic Managerは重要な役割を果たしているため、Traffic Manager自体が高可用性を確保していることは当然きわめて重要なことです。そのため、一般公開の一部として、Traffic Managerに対して99.99%の稼働率のSLAを発表しています。

 Traffic Managerは、プレビュー時には無償で利用できました。無償のプロモーション価格は2013年12月31日まで有効のままになります。2014年1月1日以降、以下の価格設定が適用されます。

  • 100万DNSクエリあたり0.75ドル(10億クエリ以降は0.375ドルに値下げ)
  • サービスエンドポイント当たり月額0.50ドル

 すべての価格についての詳細は、Windows Azure Webサイトで入手できます。エンドポイントのモニタリング、すべての設定オプション、Traffic Manager管理のREST APIを含むTraffic Managerについてのその他詳細は、MSDNで入手できます。

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Active Directory:Application Accessの一般公開

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この記事の著者

WINGSプロジェクト Chica(チカ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

Scott Guthrie(Scott Guthrie)

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