タイは東南アジアの中でも独自のカルチャーのある国です。マレーシアやシンガポール、ベトナムとカンボジアのようにグループになっていて似た国のある中、タイは数百年以上も独立した国を営んでいます。僕が訪れる様々なアジアのMakerイベントでも、あまりタイのMakerを見ることはありませんでした。
ところが、今タイで急速にMakerムーブメントが盛り上がりつつあります。ここ半年あまりでバンコクには僕が知るだけでも3~4か所のハッカースペースが新しくオープンし、Makerビジネスを支援するインキュベーターや投資家も現れつつあります。
今回はタイのMakerムーブメントを紹介します。
古都チェンマイにタイ中のMakerが集まる
2015年の3月、Changmai Maker Partyというイベントが開かれました。日本人にも人気の高い、タイ北部の古都チェンマイで行われたMakerイベントです。僕の所属するSingapore Makersにも、チェンマイ工科大学から招待が届き、シンガポールのMakerたちと一緒にチェンマイに向かうことになりました。
チェンマイに集まったMakerは30ブースほどと、2日間フルのプレゼンテーション、そしてロボットコンテスト。
出展物も3Dプリンティング、ロボット、電子回路、ソフトウェアと多彩です。日本のイベントに比べるともちろん小規模ですが、非常に洗練されて、よくオーガナイズされたイベントでした。
タイはデザインとイラストレーションに強みのある国です。タイのモダンアートミュージアム(MOMA Bangkok)に訪れると、パワーと精細さを兼ね備えたアートに圧倒されます。チェンマイメイカーパーティーも、ポスターや来場者カードのそれぞれまできっちりとデザインされていました。
会場になったChiangmai Makerclubも、4階建てのビル一棟をまるまる、集会場、作業場、コワーキングスペースにあてている大規模なMakerスペースです。欧米人のノマド利用者の多いチェンマイとはいえ、独立でこのスペースが確保できているのはすばらしい。
チェンマイは医療や工学などの研究が盛んな文教都市で、西欧からも多くの研究者が集まっており、留学生も多いです。前日に行われたパーティーでは30%ぐらいが外国人で、タイ人含めてもほぼ全員英語での会話が行われていました。
Chiangmai Maker Partyはそこに首都バンコクから訪れた出展者が加わり、より大規模なMakeイベントになっていました。