Firefox iOS版、デスクトップ版最新バージョンの新機能
次に登壇したMozilla Japan モバイル&エコシステムマネージャの浅井智也氏は、FirefoxのiOS版およびデスクトップ版の最新バージョンの機能を紹介した。
Firefox iOS版の特長は、「高速」「スマート」「パーソナル」
Firefoxはユーザがインターネットにアクセスするためのツールであり、より高速かつ簡単に情報を得られることが重要だと浅井氏は言う。そのため、iOS版では、検索文字列を入力した際に、履歴やブックマークにマッチすればそこから絞り込み、しない場合は検索エンジンで検索するといったスマートな画面が提供されている。また、文字を入力するたびに出される検索候補文字列は、より多く表示できるようにボタン形式でまとめられる。
スマホは基本的に右上から左下に弧を描くように親指を動かして操作するため、画面の上部にUI要素を配置するほうが使いやすい。iOS版でも、タブのオープン、クローズ、切り替え、タブビューの変更などのタブ操作は右上のボタンで簡単に実行可能だ。なお、タブは横へのスワイプでクローズすることもできる。
また、iOS版ではセキュリティやプライバシーが重視されている。プライベートブラウジング機能はプライバシー保護のために履歴を残さずにブラウジングを行う機能で、右上にある紫色の仮面のアイコンのタップで通常モードからすばやく切り替えられる。その他にも、キャッシュやCookieなどプライベートデータを削除する機能も提供されている。
デスクトップでもFirefoxを利用している場合、Firefox Syncによる同期が可能である。どのデバイスからもブックマーク、履歴、開いているタブ、パスワードにアクセスし、シームレスなブラウジングを実行できる。Syncの設定に必要なのはメールアドレスと年齢のみで、住所やクレジットカード番号などのプライバシー情報を入力する必要はない。
Firefox iOS版では、ブラウザエンジンとしてWKWebViewを採用している。WKWebViewはSafariと同等の機能を有し、従来のUIWebViewと比べるとパフォーマンスが高く、CPU使用率が低い。
浅井氏は、iOS 8でWKWebViewが導入されたことがiOS版開発のきっかけとなったと明かした。
セキュリティ、プライバシーを重視して、ユーザが信頼し、安心して使えるブラウザを提供
浅井氏は、品質に妥協せず、ユーザエクスペリエンスを重視しながら、他のブラウザに追随することなくFirefoxらしく、ユーザが評価する機能に注力して開発するのがFirefoxの開発戦略であると述べた。その中でも、最も特徴的で他のブラウザと一線を画しているのがセキュリティやプライバシーの保護機能であり、「ユーザが信頼し、安心して使えるブラウザ」であることにFirefoxのブランド価値があると言う。
このブランド価値を実現すべく、最新のFirefox 42はブラウザとして初めてトラッキング保護機能を搭載した。Cookieなどを利用したユーザの行動追跡(トラッキング)で嗜好を把握し、それをより良いサービス提供に活かすことは一般的に行われているが、それが個人情報の特定などプライバシー侵害につながる危険性があることは否定できない。トラッキング保護機能を使えば、普段はトラッキングを許可し、その恩恵を享受していても、ユーザが「嫌だ」と思うときにはトラッキングをブロックできる。なお、プライベートブラウジングモードではデフォルトでトラッキング保護機能が有効化されている。
WebRTCベースのチャット機能、Firefox Helloもプライバシーに配慮している。多くのチャットシステムではアカウントの作成が必要だが、Firefox HelloではURLを送るだけでビデオチャットを開始できる。プライバシー情報を入力してアカウントを作成する必要はない。
浅井氏は、日本語版でのこだわりとして縦書き対応を挙げた。他のブラウザでも縦書きで表示できるが、縦書きで入力できるのはFirefoxのみである。
浅井氏は最後に、Developer Editionにおける強力なメモリ分析ツール、デザイナーにも扱えるアニメーションツール、Firefox標準の開発ツールに統合されるFirebug 3.0(ベータ)を紹介。今度も独自性のある機能を提供していくので期待してほしいと話を終えた。
