独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は4月1日、AI時代のデータスペース技術「Open Data Spaces(以下、ODS)」に関する主要な成果物を取りまとめ、公開した。2025年8月に開始したデータスペースのアーキテクチャ設計統括およびアドバイザリ活動の成果であり、オープンソースとして提供される。
これらの成果物は、企業や組織、国境を横断した分散型データマネジメントのグローバルな相互運用性を確立することを目的としている。AIの発展を支えるリアルデータ活用基盤の社会実装を加速させるため、誰もが自由に利用できる形で公開された。
IPAは、産業イニシアティブであるウラノス・エコシステムの下、データスペースの社会実装を実現する技術コンセプトとして、「ウラノス・エコシステム・データスペーシズ」を推進してきた。ODSは、国や組織ごとの多様性を尊重する、オープンでスケーラブルな分散データマネジメントの技術コンセプト。ウラノス・エコシステム・データスペーシズの位置付けを整理し、International Data Spacesをはじめとするデータスペースの技術仕様との国際相互運用性の確保に向け、よりオープンで中立的な技術コンセプトおよびそれを構成する技術仕様として再定義するものとなる。
2025年度におけるODS設計統括活動の成果物は以下のとおり。
- Why Open Dataspaces: 設計思想とアーキテクチャパラダイム:組織・企業・国境を横断した新たな分散データマネジメントの技術パラダイムであるODSの設計思想/アーキテクチャパラダイムの解説文書
- Open Data Spaces Reference Architecture Model (ODS-RAM) V2:企業・業界・国境を横断した分散データマネジメントのためのリファレンスアーキテクチャ。技術パラダイムや階層構造モデル、プロトコルの関係性などにより構成される参照文書
- Open Data Spaces Protocols(ODP):ODS-RAMをもとに分散データマネジメント技術の相互運用性確保のため実装すべき技術仕様及び標準オペレーションを定めるドキュメンテーション群
- Open Data Spaces Middleware:ODS Protocols(ODP)を参照実装したオープンソースソフトウェア群
- Open Data Spaces ソフトウェア開発キット(SDK for Onboarding/SDK for Semantics):ODSの開発者に向けたSDK(ソフトウェア開発キット)及びドキュメンテーション群
- Open Data Spaces 事業者向け参入ガイドブック(開発事業者向け):ソフトウェアやデータ関連サービスを提供する事業者が、データスペース事業への参入を検討する際に、参入の是非、自社が担い得る役割、初期投資の置き方を判断するための視点を整理するガイドブック
- Open Data Spaces 事業者向け参入ガイドブック(ユーザー事業者向け):データマネジメントやAIサービスを利用または自社で実装する立場にある企業や行政機関等の実務者・経営企画担当者が、データスペース事業への参入を検討する際に、参入の是非・自社が担い得る役割・初期投資の置き方を判断するための視点を整理するガイドブック
- Open Data Spaces 技術者向け導入ガイドブック:ODSを採用・導入またはサービス提供する立場にある技術者を対象に、その技術的な全体像と基礎を理解し、設計・実装・運用に着手するための最初の指針を示すガイドブック
なお、今回取りまとめた成果物は、4月20日から4月24日にドイツ・ハノーバーで開催される世界最大級の製造業向け国際展示会「ハノーバーメッセ 2026」にて、ODSの周知と普及を目的とした講演・展示である「ODS Explore」の一環として、出展される。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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