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Raspberry Pi Zeroではじめよう! おうちで楽しむIoTレシピ

Raspberry Pi Zeroとクラウドストレージ「Azure Files」を連携しよう

Raspberry Pi Zeroではじめよう! おうちで楽しむIoTレシピ 第8回

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 この連載では、約650円で買えるマイコンボードRaspberry Pi Zeroを使って、ITエンジニアがIoTを学べたり、家族で楽しんだりできるIoTレシピをご紹介していきます。今回は、Raspberry Pi ZeroからクラウドストレージのAzure Filesへファイルを送る方法を紹介します。

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 今回は、Raspberry Pi Zero Wからファイル共有プロトコルであるSMB 3.0を使って、クラウドストレージ「Azure Files」へファイルを送信するレシピをご紹介します。

 Azure Filesの利点としては、SMB 3.0に対応している自宅コンピューターや会社マシン、オンプレミスから接続してファイル共有できるだけでなく、他のAzureサービスとの連携などにも利用できます。

 例えば、Raspberry Pi Zero Wで取得したセンサデータや画像情報、ログデータなどをAzure Filesへ送信します。Azure上で稼働するWindows ServerやLinuxの仮想マシンからAzure Filesをマウントし、仮想マシン上でRaspberry Pi Zero Wから送信されたデータをAzure内で加工処理・バッチ処理することができます。もちろんAzureのクラウドサービスだけではなく、オンプレミスのサーバーや、Windows、macOS、LinuxなどのクライアントPCからAzure Filesを利用することができます。

 Azure Filesは2018年11月現在、ローカル冗長ストレージ(LRS)選択時、1GiBあたり6.72円の従量課金になっています(GiB:ギビバイト、2の30乗バイトを表す単位)

 Azure Filesの料金の詳細については以下のURLをご覧下さい。

補足:Raspberry Pi Zero W以外からのファイル送信について

 Raspbian Stretch以外の各OSのファイル共有マウント方法についてはマイクロソフトの公式ページをご確認ください。

 もしお持ちのPCがSMB 3.0未対応の場合は、以下のURLで紹介した方法をご検討下さい。PCにAzure Storage Explorer をインストールしてファイルを送受信する方法や、REST API、Azure CLI2.0を使う方法があります。

 Azureの同一リージョン内の仮想マシンからはSMB 2.1で接続可能です。Azure Filesの仕様については以下を参考にして下さい。

補足:Raspbian StretchからのAzure Filesへのファイル共有マウントについて

 Linuxの場合、SMB 3.0の暗号化機能は、Kernel 4.11で導入されました。この機能を使用すると、オンプレミスまたは他のAzureリージョンからもAzureファイル共有をマウントできるようになります。よって、Raspbian StretchからもAzure Filesをマウントできるようになります。

 なお、カーネルバージョンを確認したい場合は以下のコマンドを実行します。

$ uname -r
4.14.20+

 Kernel 4.11未満でも、smbclient を使ったAzure Filesへの接続は可能ですので、後半で「smbclient コマンドを使ったファイル送信」についても紹介しています。

 ファイアウォールでインターネットへのTCP445が拒否されていると、Azure Filesとの通信ができません。ご自宅やオフィスのルーターでTCP445を拒否していないか確認しましょう。アンチウイルスソフトでもファイアウォール機能が有効になっている場合がありますので、もし繋がらない場合は確認してみましょう。

ストレージの作成および設定

 Azureで作成したリソースグループに、Raspberry Pi Zero Wと連携するAzure Filesを作成します。

ストレージアカウントの作成例

 Azure ポータルを開き、ストレージのセットアップをします。

ストレージアカウントの作成例
ストレージアカウントの作成例

 名前は、自身のアカウント内ではなく、Azure全体でユニーク(一意)である必要があります。

  • 名前:ユニークな名前を入力
  • デプロイモデル:Resource Manager
  • アカウントの種類:Storage(汎用 v1)
  • パフォーマンス:Standard
  • レプリケーション:ローカル冗長ストレージ(LRS)
  • 安全な転送が必須:無効
  • リソースグループ:pi-zero
  • 場所:東日本

ファイル共有設定

 次に、ファイル共有の設定をします。以下の手順で行います。詳細は画像を参照してください。

  1. ストレージアカウントの概要で「ファイル」を選択する
  2. 「+ファイル共有」をクリックしファイル共有を新規作成する
  3. クォータを設定して容量の上限(GiB指定)を設定する
  4. 作成した共有ファイル用ディレクトリ「pifile」が作成された
ストレージアカウントの概要で「ファイル」を選択する
ストレージアカウントの概要で「ファイル」を選択する
「+ファイル共有」をクリックしファイル共有を新規作成する
「+ファイル共有」をクリックしファイル共有を新規作成する
クォータを設定して容量の上限(GiB指定)を設定する
クォータを設定して容量の上限(GiB指定)を設定する
作成した共有ファイル用ディレクトリ「pifile」が作成された
作成した共有ファイル用ディレクトリ「pifile」が作成された

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この記事の著者

平 愛美(タイラ マナミ)

 熊本県出身のITエンジニア。2児の母で、趣味は写真とグルメ。最近はRaspberry Pi、Arduinoを使った家庭内IoTについて日々研究するIT系母ちゃんとして活躍中。主な著書は、『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(寄稿、技術評論社 刊)、『Linuxシステム管理標準教科書』(共著、LPI-Japan)など。 ブログ:Mana Blog Next Twitter:@mana_cat

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/11215 2018/11/19 14:00

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