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「Open Infrastructure Summit Denver 2019」レポート

Open Infrastructure Summitが初開催、OSS連携によるクラウドエコシステムの強化を目指す

「Open Infrastructure Summit Denver 2019」参加レポート

キーノート

 Open Infrastructure Summitという新しいイベント名称への変更について、5G、エッジコンピューティング、AI、機械学習といった次世代技術を支えるクラウド基盤をOSSの連携によって強化していくことが背景にあると説明しました。「Open Infrastructure」とは、OSSをベースに構築されたITインフラのことを意味しており、世界中のあらゆる人々がいつでもどこでも拡張・改善可能なOSSをうまく活用していくことによって、私たちの世界、そして生活を変えていくことができるとJonathan Bryce氏(OpenStack FoundationのExecutive Director)は強調しました。

 その後も、Jonathan Bryce氏がキーノートの中で "Collaborate" という言葉を繰り返し使っていたことがとても印象的でした。今回のサミットを通してもOpenStackだけでなくDocker、Kubernetes、Ceph、Ansibleなど30以上のOSSを活用した事例や課題についてのセッションが開かれていました。

 以下は前回のサミット時に発表されたスライドですが、Open Infrastructure Summitでは次のようなOSSに関連した発表がメインとなっています。

 またキーノートでは、Jonasan氏の幼少期の頃の話から、どのようにしてIT業界に入り、どのようにしてOpenStackの開発に関わるに至ったかを語りました。初回のOpenStack Summit(2010年7月)から約9年経った現在、OpenStackは世界各国の約105,000人ものメンバからなるコミュニティに成長しています。なお、市場規模としては2018年時点で61億ドルに達するとのことです。

 そしてコミュニティの今後についてはOpenStackを含む複数OSSの "Collaborate" と、世界各国のOSS開発者・ユーザーとの "Collaborate" によって、5G、エッジコンピューティング、AI、機械学習といったテクノロジーの推進に向けたクラウドエコシステムの強化を目指していくと説明しました。

 VerizonやDeutsche Telekom、AT&T、Ericsson、Intel、Red Hat、Canonicalなどの企業から、Open Infrastructureに関する取り組みや導入事例についても紹介がありました。その中から、AT&TとDeutsche Telekomの発表について紹介します。

 AT&Tはアメリカ最大手の通信事業会社です。昨年12月には、5G提供へのファーストステップとして5G Evolutionサービス(4GでいうLTE規格)を発表しています。当サービスは、AT&TのNetwork Cloud(OpenStack、ONAP、AirshipなどのOSSをベースに構成されたネットワークサービス向けクラウド基盤)上で提供されているそうです。AT&Tは、現時点でアメリカの19都市で5G Evolutionサービスを提供しており、2020年にはアメリカ全国でのサービス提供を目指していると説明しました。

 Deutsche Telekomからは、OpenStackをベースに構築したパブリッククラウサービスについて紹介されました。Deutsche Telekomはドイツの通信事業会社ですが、グローバルな大規模パブリッククラウドとしてOpen Telekom Cloudを提供しています。Deutsche Telekomでは、CPU238,600コア、オブジェクトストレージ46PB以上という大規模なインフラを所有しており、今でも1か月あたりにCPUコア数が12%増、1週間あたりにノード数が400台増となるほど拡張を続けているといいます。そのため、Day 2 Operations(システムを正常に可動させ続けるための監視、維持管理含む運用)や、デプロイ自動化のためにOSSを最大限活用しているとのことです。

 また、キーノートではPilotプロジェクトついて重大発表がありました(Pilot プロジェクトの概要については前回記事で取り上げています)。これまでは「Airship」「Kata Containers」「StarlingX」「Zuul」の4プロジェクトがPilotプロジェクトとして認定されていましたが、この度Kata ContainersとZuulの2プロジェクトがConfirmedプロジェクトとして認定されることが発表されました。

 PilotプロジェクトがConfirmedプロジェクトとして認定されたのは今回が初めてとなります。これはOpenStack Foundationボードメンバーの評価のもと、Pilotプロジェクトが進めるべきプロセス(メジャーバージョン1.0のリリース、ドキュメント整備など)をすべて達成したことを意味します。ConfirmedプロジェクトとPilotプロジェクトの一覧についてはOpenStack Foundationの公式ページから確認することができます。

 Pilotプロジェクトの一つであるAirshipについては、メジャーバージョン1.0のリリースが発表されました。セキュリティやレジリエンスの向上などが行われ、商用システムへの適用段階まで到達したとのことです。

 サミット恒例のSuperuser AwardsにはEnter Cloud Suite、VEXXHOST、Whitestack、NSCC-GZ(National Supercomputer Center in Guangzhou)の4社がノミネートされ、今回はOpenStackをベースにパブリック、プライベート、ハイブリッドクラウドのソリューションを提供しているVEXXHOST(本社:カナダ・ケベック州のモントリオール)がSuperuser Awardsを受賞しました。

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セッション・デモ紹介

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この記事の著者

村中 清史(NTTデータ)(ムラナカ キヨシ)

NTTデータ システム技術本部に所属し、クラウド基盤設計・運用を専門とする。通信事業者向け大規模ミッションクリティカルシステムや全社プライベートクラウド基盤へのOpenStack導入を経験し、現在はデジタルトランスフォーメーション推進向けクラウド基盤の技術検証に従事する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

田代 充良(タシロ ミツヨシ)

金融分野のミッションクリティカルシステムへのIaaS基盤・PaaS基盤の導入の経験を経て、現在は、社内の「統合開発クラウド」にてOpenStackのサービス開発・運用やOpenStackコミュニティでの高可用性向けプロジェクトの開発に従事する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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