アジャイルコーチ、何を基準に選ぶべき?
各種業務のなかには、アジャイルコーチに依頼しない方がいいこともある。例えば、「バックログをつくる」「プロジェクトのステークホルダーと交渉を行う」など、チームのメンバーがやるべき作業をコーチに依頼してはいけない。あくまで「チームがいまできないことを、アジャイルコーチのトレーニングによってできるようになってもらう」のが目的だからだ。
アジャイルコーチの選び方としては「忙しすぎるコーチを選ばない」ことが重要だと吉羽氏は言及する。アジャイルコーチは、カバーすべき業務領域が極めて広い。そのため、何かのセミナーやイベントに行ったり、書籍を読んだり、他のコーチとディスカッションしたりと、日常的なインプットが必要不可欠である。忙しすぎるコーチの場合、こうしたインプットに時間を割けないため、コーチングのクオリティーが下がってしまうのだ。
これはつまり、「単純に単価が安い・高いというだけで、コーチを選んではいけない」ことも意味する。安い単価で仕事をしているコーチの場合、稼ぐ金額を上げるには稼働率を上げる必要があるため、どうしても多忙になってしまうからだ。
「さらに、アジャイルコーチも人間であるため、案件・チームとの相性や得意分野・不得意分野があります。だからこそ、期待値を明確にしたうえで、その分野を得意としているコーチを選ぶのをおすすめします」
アジャイルコーチの評価と終了時期についても、吉羽氏は解説する。
コーチを評価するうえでも、事前に設定した期待値との比較が重要となる。そして、アジャイルコーチはその業務特性上、成果を定量的に表すことは難しいため、「チームメンバーが業務をうまく進められているか」「チームの雰囲気が以前よりも良くなったか」など、定性的に評価するべきだという。
「チームが自走できるようになったら、コーチによる支援を解消してもらっても構いません。再び必要になったら呼んでもらう形で大丈夫です。コーチと1on1ミーティングを実施するなど、定期的にチームの状況確認をして、現在の状況を棚卸ししていただければ良いと思います。これらの知識をもとに、アジャイルコーチを活用していただければ幸いです」
