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越境することで見えてくるデザイナーキャリアの大きな筋道「両利きのデザイナー」とは

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デザイナーにとっての「探索」と「深化」とは

 先ほど紹介した書籍『両利きの経営』では、「探索とは、既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為」であると書かれています。これをふまえ私は、デザイナーにとっての探索とは、事業のフェーズを横断した経験を積むことや、デザイナーという職種を越境した取り組みが該当すると考えています。

 同じく本書では、「自身が持つ一定分野の知を継続して深堀りし、磨き込んでいく行為」を「深化」だとしています。デザイナーにとっての深化とは、デザイナーとしての専門性やスペシャリティを深める行為を指すと私は捉えています。

 事業の創業フェーズでは、組織規模も小さくひとりが担う範囲が広く、全体像が見渡しやすいという特徴があります。デザイナーとして関わる範囲も横断的になりやすく、事業や開発への接続もしやすい環境が整っていると言えます。ここでの経験は「探索」と捉えることができるでしょう。全体を俯瞰して物事を捉える観点を養い、比較的ほかの領域における経験も簡単に得ることができます。

 一方で、組織が拡大し事業がスケールするフェーズへとシフトしていくにつれ、組織規模も大きくなり役割は固定化されていきます。ここでも職種を横断した越境は起こりますが、担うべき範囲はより狭まったものとなり、より具体的なアプローチや課題解決が求められるようになります。このような段階では、自分自身の強みや専門性がどこにあるかを定めておく必要があるでしょう。求められる役割に対しては「深化」をしながらも職種を横断した越境を交えることで、組織や事業と結びついた経験を積むことができます。

 このように、事業フェーズを横断していく中で得られる経験値には「探索」と「深化」というふたつのベクトルを意識しておくことで、自身のキャリアを考える際に不足する知識や経験値を見定めやすくなると思います。

 また、両利きのデザイナーとして越境を繰り返すにつれ、事業の成長課程における課題には再現性があることも見えてきます。新しい事業が次々と生まれる社会において、成長する事業における課題を再現可能な形で解決できる能力は、不可欠なものになっていくのではないでしょうか。

まとめ

 私自身もデザイナーからキャリアをスタートし、多くの事業の成長に携わってきました。その過程でデザイン会社の経営者となり、さまざまな視点で越境を繰り返してきました。

 過去を振り返ると事業が成長するタイミングというのはいつも、ひとりでは解決できない問題を抱えているように思います。課題の解決を遅らせる一因は、職種や役割といった見えない境界にとどまること。ですが、組織には必ずこういった問題を越境して解決する存在がいます。

 すべてのデザイナーがそうである必要はないですが、自身が属する組織においてデザインをよりよい形で活用してほしいと思うのであれば、領域を横断し挑戦する意義はあるかもしれません。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13362 2020/12/16 08:00

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