苦渋の決断
中野
そうですね……。個人的には、僕も気持ちはわかるんです。新しい人が入ってくると自分が損をするような気分になるんですよね……。
ひろゆき
でも、広告モデルとしていくのであれば、ある程度のユーザー数がいて広告が付いたほうがうまく回って、見やすい環境はできるので、そういう過渡期にはあると思いますけどね。今はまだ広告のほうがちゃんと動いてないので。
編集部
早く広告で利益を上げられるように、ユーザー数を増やすことに注力したというわけですね。
ひろゆき
ユーザー数が増えると、トラフィックの負担が大きくなるのでみんなが見づらくなるということはあるけれど、広告がうまく回るようになれば、ユーザー数が増える、トラフィックの方もお金払えるようになるから快適になる、といういい流れになるとは思うんですよね。
編集部
今度はプレミアム会員つくりますけど、それで状況は改善されそうでしょうか?
ひろゆき
(中野氏に)改善されるんですか?
中野
もちろん、これだけで全てが解決するというわけでもないと思うので、ビジネスモデルのひとつということで、やっていこうと思ってますね。
ユーザーが変わっていく
編集部
開発者ブログや掲示板などで、開発者・ユーザーともどもから率直な意見が出ていますが、そういうものを読んで「これはひどい」「これは嬉しい」など感じたことがあったと思うんですが、印象に残ったものとかありますか。
中野
そうですね……。最初、すごくユーザーが協力的だったんです。
ですが、時間が経つにつれてユーザーが「ニコニコ動画は俺たちのモノだ」という感じになってきて。
(一同爆笑)
中野
それが面白かったですね。どんどんユーザーがわがままになっていくという。でも、そうなって良かったと思います。ユーザーが主体的になっている環境になると、面白い意見をどんどん出してくれるんです。その中からこちらが実現できることは拾いますし。
(鈴木氏に)なんか、困ったこととかあったっけ?
鈴木
やっぱりたくさんの方が来てくださるので、システムに対する負荷がもう(笑)。前からもそうですし、今もこれからも考えなければいけないところではあるので大変ですけど、まぁ、ほとほと困ったというのは、あんまり。
中野
タグでチャットされるのは、ちょっと困った(苦笑い)
鈴木
でもそれは、ご愛敬ということで。いいんじゃないかと。
中野
まあ、あれも困りはしたけれど、範疇というか、こうなるよなーという。
鈴木
あと、ユーザーさんの中でも空気を読む方もいらっしゃって、「あんまそういう迷惑になることはやめようよ」という、自浄作用がある程度働きはじめているんですよね。だから、そういうのもあって、少なからず我々の思わぬところで、なんていうか、「あずかり知らぬ運営」みたいなものができてきていると思うんです。
編集部
コミュニティが形成されてきているというわけですね。
鈴木
そうですね。
ユーザーに向けて
編集部
そんなユーザーの方々に向けて、一言あれば。
鈴木
今回RCに向けてちょっと大きな変更があるので、それでユーザーの反応をちょっとドキドキ、楽しみに待ってますね。いい反応が返ってくるのか、なんだこれって言われるのか。
ひろゆき
「ニコニコプレーヤー」を、もうちょっと負荷のかからないように作ってほしい。
鈴木
それは一般ユーザへっていうよりユーザ側の開発者へですよね(笑)
中野
ニコニコは1人1時間までとか。
ひろゆき
宣言しちゃうんだ(笑)
中野
ゲームも1日1時間までっていうじゃないですか。ユーザーのためを気遣って、1日1時間以上見ると生活に支障をきたすよっていうことで。
鈴木
夜中のアクセスもすごいんですよ、朝方とかも。時々見てるんですけど「寝てるのか?」と本当に気になるくらいで。
中野
土日なんか昼間っからピーク状態にいきますし。外出たほうがいいんじゃないかなぁ(笑)
鈴木
滞在時間も多いですしね。1ユーザーあたり1アクセス28分くらい。多いユーザーだと、1人で2~3時間くらい「ニコニコ漬け」ですね。
中野
ほとんどの人がだいたい毎日アクセスしてるんですよね。
鈴木
リピーター多いですね。1ユーザーあたり、1日平均2回はアクセスがあります。
ニコニコ宣言と「感情」
編集部
RC版のリリースに先立つように、6月1日に「
ニコニコ宣言」を出しました。これについてはどういった意図があったんですか?