FileMakerの特長
FileMakerの特長の第1は、オンプレミス製品とクラウド製品を用意するなどハイブリッド環境に対応していること。
第2の特長は、オフラインでも利用できることだ。FileMakerを利用するシーンは、ネットワークがあるところだけではない。例えば船中や地下、山の中などさまざまな環境での利用が可能だ。ネットワークのない環境でもFileMaker Goを使えば、iOS端末の中にデータをためておき、ネットワークがつながった時点でサーバにデータを送信することができる。つまり、FileMakerはネットワーク環境の有無など、利用シーンを選ばずにいつでも活用できるというわけだ。
第3の特長は、さまざまなスキルレベルのユーザーが活用できるプラットフォームになっていること。FileMakerのスキルのない人でも、ドラッグ&ドロップ主体のノーコードで、直感的に画面やアプリの作成ができる。さらに、もう少し高度な機能を実装したい場合はローコード、それでも対応できなければJavaScriptでの実装を行うプロコードでの開発も可能だ。これが他のノーコードツールとの大きな違いであり、差別化ポイントとなっている。
ノーコードツールの多くは、シンプルな機能は簡単に実装できるがそれ以上になるとJavaScriptで開発しなければならないなど、比較的早い段階で頭打ちになってしまう。だが、FileMakerであれば、ノーコードからローコード、プロコードまで、シームレスに対応できる。
第4の特長は、Windows OS、macOS、Web、モバイルなどマルチOS/マルチデバイスに対応していること。そして第5の特長は、開発元のClaris International Inc. がApple Inc.の子会社といった背景からFileMakerはiOS端末との親和性が高く、カメラ・NFC・GPSなどiOS端末が提供する機能を容易に組み込むことができることだ。
その他、FileMakerはUIとビジネスロジック、データアクセスという3つのレイヤーに分かれているため、データはOracleやMySQLに保存、UIはFileMakerで開発するというミドルウェア的な活用もでき、基幹系システムであっても、FileMakerプラットフォームを使えば高度な暗号化アクセスが構築され、セキュリティを担保した状態で外部からのデータアクセスが容易にできる。
Claris International Inc.はApple Inc.の子会社であり、毎年リリースされるiOSにも迅速にアップデート対応しているので、自社で構築したアプリがOSのアップデートによる不具合を抱えるようなこともなく、運用コストの低減も期待できる。このようにFileMakerはさまざまな組織で求められる最新技術へのニーズに対応しており、長期的に持続成長可能なローコード開発プラットフォームとなっている。
Excelの限界をFileMakerで突破
とはいえ、管理用のデータベースとして活用するのであれば、「Excelでも十分では?」と思う人もいるかもしれない。確かにExcelは膨大ではないデータを蓄積する場所としては便利に使えるツールだ。だが、データは蓄積するだけでは意味がなく、活用してこそ意味がある。
データを活用するには、何らかの業務プロセスが発生する。例えば、顧客情報をExcelで管理している場合、たまに検索して住所を調べるぐらいであれば、Excelでも十分対応できる。だが、顧客情報を利用して見積書を作成し、社内の承認を得て、完了メールを送るというフローを自動化するとしよう。このフローをExcelですべて実現するには、承認されたレコードのロックや排他制御なども必要になり、困難である。手順も複雑化し、データの正確性も損なわれるからだ。
FileMakerであればデータベース機能に加え、帳票作成、メール送信の自動化、スケジューリングなどカスタムAppを開発する機能までオールインワンで提供する。先のような複雑な業務プロセスを自動化することに加え、複数人で利用したい、数万以上のレコードを管理したい、バージョン管理を適切にしたい、入力を自動化しミスを防ぎたい、半角全角などの文字や数字を制御してデータを蓄積したいなど、Excelでは限界を感じ、FileMakerに移行するケースが増えている。
また、ExcelからFileMakerへの移行も簡単だ。例えば、Excelで作った顧客情報をFileMakerで読み込むと、項目名はフィールドとして変換され、1ページ1社として表示され詳細情報が見やすく管理できるようになる。編集ボタンを押すと開発モードに切り替わり、フィールドを追加したり画像を追加するなど、パワーポイントなどのスライド作成ツールを操作するイメージで自由にカスタムAppが作成できるようになる。
ローコード開発ツール=開発初心者向けではない
ローコード開発ツールというと、プログラミング言語などの専門知識がなくても開発ができることから、「開発言語の初心者向け」というイメージがあるかもしれないが、FileMakerはDXを実現するためにプロのエンジニアも率先して使っている。
例えば、2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大した英ロンドンの救急隊員が感染防止用のマスクや応急処置の用具をスムーズに補充できるよう、どの拠点にどれだけの在庫があるのか、リアルタイムに把握できるアプリをエンジニアは2週間で開発した。また日本国内でも、新型コロナウイルス感染症の重症者治療に使われる人工心肺装置「ECMO(エクモ)」や人工呼吸器の稼働状況を収集するアプリ”CRISIS”を1週間で立ち上げた。これを可能にしたのはFileMakerとプロのエンジニアのスキルである。
既にDXに取り組む多くの企業では、企業のDXを担う社員とエンジニアの双方が理解できるローコードプラットフォームを導入することで、UI中心の視覚的なアプローチでアプリケーショの開発から検証、修正、導入、改善のプロセスを進めることができ、ビジネス環境の変化に応じた開発が可能となっている。
データ活用に関する問題解決を図りたい、解決策を探している、DXを推進したい、新しいビジネスを創造したいというのであれば、クラリスでは無料評価版を提供しているので、一度FileMakerを試してほしい。
FileMakerの情報はこちら
FDSというのは、年間9,900円のサブスクリプションで以下のように開発者向けのさまざまな特典がついています。(詳細は上記からリンクをご参照ください)
- FileMaker デベロッパ サブスクリプション ライセンス(テスト目的用)
- 発売前のソフトウェアを先駆けて入手
- iOS App SDK(ソフトウェア開発キット)
- FileMaker data migration tool
- Claris FileMaker Custom App Upgrade Tool
Clarisコミュニティは、誰でも無料で参加できるオンラインコミュニティで質問するとプロの開発者が答えてくれます。