「IA」から「AI」へ変容していくUIUXデザイン
UIUXデザインはとくにUXにおいて、IA(Information Architecture:情報の構造化)設計をし、課題を分析し、その先にあるゴールを導き出します。事前のIA設計が重要で、その良し悪しによって、サービスやプロダクトを使用したユーザーのエクスペリエンスに大きな影響を与えます。
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そこでAIを活用したUIUXデザインのプロセスは、また別の要素が加わり構造化していくことになります。
- 「ユーザーインサイト」に「アルゴリズム」が加わる
- 「データの模索」をしたり「チューニング」が必要となる
たとえばユーザーに対してパーソナライズやレコメンデーション体験をしてもらう場合、静的だけでなく、動的なコンテンツを生み出すアルゴリズムの設計も合わせて考える必要がでてきます。そのため、ユーザーインサイトに合わせてアルゴリズムを加え、ゴールを導き出すことになります。また、データを模索し、試行錯誤しチューニングすることで、より最適なコンテンツへとつなげることができます。
AIの活用で実現するUXとはなにか
AIによって実現されるUIUXにおいて、新しいユーザーの体験は大きく分けて次の3つがあると考えています。
1. 最適なパーソナライズ化
ユーザーの1人ひとりに合わせて最適化したコンテンツを提供する。たとえばショッピングサイトで、購入履歴や似たような商品をレコメンデーションする技術は、AIによって精度が向上し、身近なデジタルサービスになっています。
またGoogleの画像検索などでは、画像解析を活用して画像や検索ワードから類似した画像を推測した結果を一瞬でレコメンドしてくれます。Android 12の「Material You」もAIを活用したパーソナライズ化を加速させるひとつのデザインシステムと言えるでしょう。
2. 「会話・音声」を理解する
人が使う「自然言語」も機械学習の進歩により、文脈に合わせて適切な会話を理解し、反応することができるようになりました。VUIもさまざまなシーンで活用されるようになってきています。
街でVUIを搭載したロボットやスマートスピーカーなどが、AIで自動応答するシーンを見かける機会が増えてきていますよね。Siriなどスマートフォンに搭載されたAIアシスタンスの精度向上やワイヤレスイヤホンの普及なども、AIを相手に会話する行動を促進しているひとつだと考えられます。
3. そもそものプロセスを自動化できる
AIの活用で新しいユーザー体験が生まれています。そうしたユーザー体験を提供したり、改善していく「プロセス」自体を、AIによって自動化されるようになっています。たとえばA/Bテストのプロセスを自動化して複数の表示パターンから最適なパターンを自動で発見し、データを蓄積、分析することで自動的に成果を最大化できます。今のところ課題もたくさんありAIは万能ではないですが、これらの長所を生かすことで新しいUIUXデザインを生み出すことにつながると思います。