オブジェクト指向言語と関数型言語の特徴を併せ持つ、マルチパラダイムのプログラミング言語であるScalaの開発チームは、バグ修正を中心としたパッチリリース「Scala 3.1.1」を2月1日(現地時間)にリリースした。機能は追加されていないものの、いくつかの改善が行われている。
おもな改善点としては、using句を使用して関数本体の型のあいだにサブタイピング関係を導入できるようになったほか、バージョン3.0.xでコンパイルされた階層型の合計型に対して、ミラーを正しく呼び出せるようになるとともに、Scala 2および3マクロのスコープによる宣言が実験的な実装ではなくなった。また、ScaladocにおけるドキュメンテーションのUIが改善されている。
「Scala 3.1.1」にあわせて、次期パッチリリースの最初のRCバージョンとなる「Scala 3.1.2-RC1」もリリースされた。同バージョンでは、さまざまな修正とともに、上位互換性の改善に向けた取り組みの第一歩が踏み出された。
現時点では、「Scala 3.0」でコンパイラされたコードが、「Scala 3.1」では依存関係を読み取ることができない。「Scala 3.1.2-RC1」では、この問題を改善するためのソリューションの中核となる部分がすでに実装されており、有効にするには実験的に搭載されている-Yscala-releaseフラグと、対象バージョンを指定する必要がある。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です