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マンガ版「こうしす!」傑作選

情報セキュリティ対策に必要なのは、本当にインシデントゼロの精神論?

第1回

解説:教えてアカネちゃん

情報処理安全確保支援士 祝園アカネ
情報処理安全確保支援士 祝園アカネ

 情報セキュリティインシデントが発生した時、よく聞くのが「自覚が足りない」「担当者は厳罰に」という精神論です。

 確かに、お客様にサービスを提供する上で「自覚」は必要です。実際、「自覚」が足りないと思える事例も枚挙にいとまがありません。

 しかし、忘れてはならないのは、自覚と厳罰だけでは情報セキュリティを守ることはできないということです。

 重要インフラであればあるほど「インシデントゼロ」という目標が掲げらています。しかし、「インシデントゼロ」はあくまでも理想であって、現実には大小問わずインシデントは起きてしまうものです。理想と現実のギャップをどう埋めるか、実際にインシデントが起きてしまった時にどう被害を最小限に留めるかこそが大切なポイントです。

 その点を取り違え、文字通りの「インシデントゼロ」を目指し、「インシデントが起きたこと自体が自覚のない恥ずかしいこと」という風潮を作り、何か起きた時に厳罰に処するという姿勢では、どのような問題を生むことになるでしょうか?

 隠ぺいです。

 隠ぺいの結果、初動対応が遅れると、被害は大きくなるばかりです。故意なら話は別となりますが、過失ならば、インシデントを起こした個人の自覚不足を責め、あまつさえ処分してしまうのは、百害あって一利なしです。

 どのようにすれば良いのでしょうか?

 隠ぺいせずに、即座に担当部署に報告が集まるようにする必要があります。

 これは簡単なことではありません。

 まずインシデントは個人の責任ではなく組織の責任であることを明確にする必要があります。そして、インシデントを報告した人には、むしろ感謝しなければなりません。そして、「自覚」を求めるのであれば、「インシデントを起こさない自覚」ではなく「インシデントが発生した時に被害を最小限に留める自覚」を求めなければなりません。そして、情報セキュリティを担当する部署が社内に周知し、社内の信頼を得ていくことも必須と言えるでしょう。

 次回のテーマは、外部通報の受付体制です。

お知らせ

 今回のストーリーは、小説版でも読めます。

 『こうしす!社内SE祝園アカネの情報セキュリティ事件簿

 2022/12/31までの期間限定でKindle Unlimitedで配信中。

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この記事の著者

井二 かける(イブタ カケル)

 情報処理安全確保支援士、プログラマー、作家。「物語の力でIT・セキュリティをもっと面白く」をモットーに、作家活動、セキュリティ啓発活動を行う。主な作品はアニメ「こうしす!」、小説「こうしす!社内SE祝園アカネの情報セキュリティ事件簿」(翔泳社)、マンガ「伏石ちゃんは意図に反したい ~ハッキングから始まる高校生活~」(京姫鉄道出版)など。 Twitter:@k_ibuta@kyoki_railway

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山口 しずか(ヤマグチ シズカ)

 やりたいことはなんでもやる精神で急成長中の漫画家。2019年よりマンガアプリにて商業連載デビュー。連載の傍ら企業のPR漫画や漫画動画など媒体・ジャンルにとらわれず時代に合わせた漫画を制作中。趣味はお酒と旅行。 Twitter:@shizuckey

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https://codezine.jp/article/detail/16964 2022/12/07 11:00

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