米Microsoftは、コードエディタ「Visual Studio Code」の、Python/Jupyter向け拡張機能の2023年7月版を、7月7日(現地時間)に公開した。
2023年7月版ではまず、型チェッカー「Mypy」をVisual Studio Codeで利用可能にする拡張機能と、Python拡張からデバッグ機能を独立させた「Debugpy」の2種類の拡張機能をプレビュー版として提供を始めた。Mypy拡張機能は、動的型付け言語であるPythonで型チェックを可能にするライブラリ「mypy」を利用して型チェックを実現する。最新版のMupy拡張機能には、mypyのバージョン1.4.1が付属する。
Debugpyは、Microsoftが従来提供してきたPython向け拡張機能から、デバッグの機能を独立させたもの。Microsoftによると、Python 2.7とPython 3.6をPython向け拡張機能のサポート外としたときに、自身のコードを最新のPythonにアップデートできない環境にある多くのユーザーから、既存のコードのデバッグができないという声をもらったという。この声に応えるために、Python向け拡張機能からデバッグの機能だけを独立させたDebugpyを開発したとしている。Debugpyを利用することで、Python向け拡張機能には最新のものを使いながら、デバッガだけは古いバージョンのものを使うことが可能になるとしている(拡張機能の自動アップデートの機能を無効にする必要がある)。
そして2023年7月版では、言語サーバー「Pylance」の拡張機能が、国際化に対応した。Visual Studio Codeに言語パックをインストールしておけば、Pylanceが出力するメッセージを世界各地の言語に翻訳して表示するという。そしてPylanceには、Intellisenseによるコード補完などの機能を提供するために、開発者の環境にインストールしてあるサードパーティーのライブラリのインデックスを作成する機能があるが、従来はVisual Studio Codeでワークスペースを開くたびにインデックスを作成していた。今回の新版からは、一旦作成したインデックスを再利用する仕組みを導入し、ワークスペースを開くたびにインデックスを作成することがなくなった。
また、2023年6月27日にPython 3.7の公式サポートが終了し、Python向け拡張機能もバージョン3.7への対応を止めたが、当面はバージョン3.7に対応する機能を取り除く予定はないとしている。Python向け拡張機能は非公式にではあるが、バージョン3.7に対応し続けるということになる。今後、さらに新しいバージョンのサポートが終了したときには、サポートが終了した年の間はPython向け拡張機能として対応を続け、新しい年を迎えて最初に投入する拡張機能で、サポートが終了したバージョンへの対応を止める方針を示している。Python 3.8が2024年9月にサポート終了を迎えるが、Python向け拡張機能は2024年一杯はPython 3.8への対応を続け、2025年に入って最初に公開する拡張機能でPython 3.8への対応を止めるということになる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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