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東京ガスの内製開発チーム、「技術面接」がエンジニア0人からの挑戦を可能にしたカギだった

【24-C-3】強い内製化組織をつくる、“東京ガス”のエンジニア技術選考プロセス~事業貢献するエンジニアを惹き込むには~

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0から作ったチームが約1年半でサイトリニューアル、苦労はなかったのか

 なぜ、東京ガスは内製化組織を立ち上げたのか。その背景には2016年4月に電力、翌年4月に都市ガスが小売全面自由化になったことがあるという。「家庭用分野においても、エネルギー会社はお客さまから選ばれる存在となりました。当社はリアルでの接点は非常に強いのですが、デジタルの接点を強化しないとお客さまは離れてしまうと考えました。つまりお客さまの獲得やお客さま体験の向上が急務となったのです」と杉山氏は語る。

 現在の内製開発チームを立ち上げたのは、東京ガス生え抜き、リビング戦略部デジタルプロダクト推進グループのマネージャーを務める及川敬仁氏。及川氏はアジャイル開発で継続的にmyTOKYOGASの使い勝手を高められる体制を整える必要があると考え、東京ガス本体に内製開発チームを発足させたのだ。

 「及川が発起し、周囲の理解を得ながら作ったチームです。東京ガスはレガシーなイメージがあるかも知れませんが、自由にチャレンジする文化があることがこの例からも分かると思います」(杉山氏)

東京ガス株式会社 リビング戦略部 デジタルプロダクト推進グループ ソフトウェアエンジニアチーム、チームリーダー兼テックリード 中島 潤耶氏
東京ガス株式会社 リビング戦略部 デジタルプロダクト推進グループ ソフトウェアエンジニアチーム、チームリーダー兼テックリード 中島 潤耶氏

 事業部内にチームを作ることのこだわりは、距離感の近いBiz x Devでのプロダクト開発ができること。また同チームのミッションは「お客さまに提供するプロダクトの価値をソフトウェアエンジニアの力で向上させる」である。

 ではどんなエンジニアが集まっているのか。内製開発チームの特徴は「お客さまファースト」を掲げて活動していることだという。具体的にはお客さま起点、プロダクト志向(顧客に届けるプロダクトの価値に重きを置き、技術はそれを実現する手段)、圧倒的当事者意識、リスクを恐れない、継続的な学習と改善という5つの項目に共感したエンジニアが集まっている。杉山氏も中島氏もメンバーをリードしながら、コードを書いているという。「先日、Kubernetesの資格を全部取得した」と杉山氏がいうように、継続的な学習も欠かさない。

 2022年にチームを立ち上げ、約1年半でリニューアルした会員サイトをリリースした内製開発チーム。「ゼロからのチームの立ち上げに苦労はなかったのか」という田島氏の問いかけに、杉山氏は「障壁しかなかった」と回答。予算なども限られる中、チームの立ち上げは決して順調ではなく、またチームができてからも毎日、課題が起きるたびに話し合いで乗り越えてきたという。田島氏の「社内ベンチャーのようですね」という感想に、杉山氏は「まさに。私たちはスタートアップのようだと。そういう空気を非常に感じていました」と返していた。

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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川又 眞(カワマタ シン)

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