エンジニアを採用したい、でも採用していることを誰も知らない
改めてゼロから採用拡大するにあたり、「ソフトウェアエンジニアにとって東京ガスが内製開発しているということが知られていない。認知度が低いことが一番の課題だった」と杉山氏は話す。実は杉山氏も中島氏も東京ガスへの転職組。杉山氏の入社は2022年10月。一方、中島氏は2022年5月にテックリードとして入社し、内製開発チームの立ち上げにも関わってきた。
東京ガスが内製開発を行っていることが認知されておらず、エンジニアたちの想起集合に入っていない状態で、スカウト返信率も低迷していたという。「カジュアル面談では、『内製開発に取り組んでいることをご存じでしたか」と聞くと、『いいえ、知りませんでした』と鉄板のやりとりがありました。このままは強い組織を作っていけない。しっかり手を動かせるエンジニアを採用していることをアピールしたいと考え、2023年1月、中島がTrack Testの導入を決めました」(杉山氏)
ギブリーのTrackプロダクトの事業領域では、エンジニア・デジタル人材の採用、育成、評価のためのHRプラットフォームとして、幅広いプロダクトを展開している。Track Testは、その中の一つのプロダクトで、コーディングテストツールである。Track Testは大手企業からベンチャーまで累計400社以上の企業が導入しており、コーディングテストの受験者数は累計80万人を突破している。「WebやSI、ゲームなどIT系に加え、自動車、コンサル、人材、社会インフラ、飲料、小売、不動産、金融など幅広い業種・業界の企業に導入いただいております。最近では受験対象がエンジニア職種から、もっと幅広いビジネス職種にまで広がってきていますね。世のDXの風潮を得て、エンジニアからビジネス職を対象にIT素養を図っていくデジタル人材向けアセスメントツールとして拡張を図っている最中です。」(田島氏)
Track Testを導入、というニュースリリースをギブリーから発信してもらうと同時に、noteでの広報を実施。とはいえ脆弱な体制は変わらず、myTOKYOGASのリニューアルの開発を進めながら、杉山氏、中島氏が採用も行うという厳しい戦いは続いていたという。中島氏も「とにかく負荷が大きかった」と振り返る。
杉山氏曰く、その厳しい期間を気合いと根性で乗り越え、リニューアルが完了。その際に取材に応じたり、テックブログを公開したりしたことで、認知度が向上、スカウトへの返信率や応募数も向上した。「myTOKYOGASのリニューアルをやり遂げたこと、そしてしっかりとしたプロダクトがあることもエンジニア採用には、重要だと実感しました」(杉山氏)