はじめに
「ObjectService」とはVisualStudio(VB.NET/C#)とSQL Server 2005を接続する場合に使用可能なO/Rマッピングツールです。ObjectServiceは、デザイナ画面を搭載し、データベースに関するファイルの一括管理が可能です。これにより旧来のO/Rマッピングツールにありがちな「習得の難しさ」や「ファイル管理の煩雑さ」といった問題点が解消されました。今回はObjectServiceの特徴と、インストールからデータベースアクセスの基本的な方法までの流れを紹介します。
対象読者
- VB.NETを使用する方
- SQL Server 2005を使用する方
- O/Rマッピングに興味がある方
必要な環境
項目 | 環境 |
OS | Windows XP/Windows Vista |
DataBase | SQL Server 2005 |
.Net Framework | .Net Framework 2.0/.Net Framework 3.0 |
Visual Studio | Visual Studio 2005 |
ObjectServiceの特徴
ファイルを一括管理
ObjectServiceは、ファイルを1つ操作するだけで、クラスファイル/マッピングファイル/データベーステーブルを一括変更します。操作するファイルの数が少ないため、ファイルの整合性を保つことが容易になり、不要なミスや時間のロスを大幅に削減します。
デザイナ画面による操作性の向上
ObjectServiceはデザイナ画面を標準搭載しています。オブジェクトやプロパティの追加/変更/削除、データベース接続、リレーション設定、などの基本設定をデザイナ画面で直感的に操作することが可能です。
実行速度の低下を回避
O/Rマッパーを使用する際に問題となるオブジェクトロード時のパフォーマンスを向上するために、一部ネイティブコード(IL)を使用しており、DataAdapterと遜色の無いパフォーマンスを実現しました。
日本語対応による導入のし易さ
ObjectServiceは国内ベンダー製で日本語完全対応です。マニュアル/リファレンス/サポートはすべて日本語のため、言葉の壁による生産性の低下を心配する必要がありません。
事前準備
ObjectServiceをインストールする
試用版のObjectServiceを入手し、インストールします。試用版は下記のページから入手可能です。
有償のコンポーネントですが、ダウンロードファイルに含まれている「setup.exe」を実行し、[ライセンス版をインストールする]のチェックを外すことで、試用版をインストールできます。制限事項などの詳細については、ダウンロードファイルに同梱されているマニュアルを参照ください。
コンポーネントの追加
ObjectServiceを利用する場合は、Visual Studioの対象プロジェクトにコンポーネントを追加する必要があります。Visual Studioのメニューの、[プロジェクト]-[コンポーネントの追加]から[新しい項目の追加]画面を開きます。
[オブジェクトサービス]を選択し、[追加]ボタンをクリックすると、プロジェクト内に「ObjectService1.obs」ファイルが追加されます。
以上で、ObjectService利用するための事前準備が完了しました。