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Developers CAREER Boost 2024 セッションレポート

良質なコミュニティとの出会いがキャリアを創る──人生を変える体験を作り出す「計画的偶発性理論」とは?

【B-1】ソフトウェアエンジニアとしてキャリアの螺旋を駆け上がる方法 - 経験と出会いが人生を変える

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 転職や進学、結婚など、人生にはさまざまなイベントが待っている。自分自身の価値観を変化させる出会いと別れは予期せぬタイミングで訪れることが多く、「人生はチョコレートの箱のようなもの」(『フォレスト・ガンプ/一期一会』より)と言われるほど、先を読むことが難しい。ところが、「人生における大きなインパクトを持つ出会いは、狙って起こすことができる」──そう力説するのは、株式会社リンケージでCTO兼COOを務める曽根壮大氏だ。この「計画的偶発性理論」には再現性があり、この出会いを通じてキャリアに変革すら起こせるという。気になる“理論”の中身はどのようなものだろうか? 自身もさまざまな出会いによって大きく人生を変えられたという曽根氏が、計画的偶発性理論の実践方法やそこで得た数々の出会いについて語った。

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人生を変革する言葉やコミュニティとの出会いがキャリアを形成

 一般的なソフトウェアエンジニアとは全く異なる経歴を持つ曽根氏。高校卒業後に1年間の浪人生活を送った後、警察官として社会に飛び出した。5年間勤務したのちに、キャリアチェンジを決意して退職したものの、なんとリーマン・ショックが発生。派遣切りや契約社員の大量解雇が横行する大不況の時代に突入し、曽根氏自身の就職活動も困難を極めた。

 やむを得ず派遣社員として働き始めることとなった曽根氏だが、一般事務員として大量のエクセル作業をプログラミングしなおして修正したことが評価され、社内SEとして正社員採用を掴み取る。

合同会社HaveFunTech/株式会社リンケージ 曽根 壮大氏
合同会社HaveFunTech/株式会社リンケージ 曽根 壮大氏

 その後はインフラエンジニアやWebエンジニア、フルスタックエンジニアとしてさまざまな経験を積んできた。さらにはマネジメントやWeb系システムインテグレーター、CTOなども経験してきたというから、その厚みには驚かされるばかりだ。

 曽根氏はこうしたキャリアを形成するきっかけとして、2010年7月31日に開催された第1回オープンラボ備後での出会いを挙げる。この勉強会で、Linuxカーネルのメンテナンスを担当する平田氏から「曽根君は自分の柱を決めてないの? 僕は25歳のときにはLinuxカーネルで生きていくって決めていたよ」と投げかけられた言葉に、当時25歳だった曽根氏は感銘を受けた。

「”有名人が講演するから会いに行ってみよう”という気軽さで参加した勉強会で、自分の人生は変わった」という曽根氏
「"有名人が講演するから会いに行ってみよう"という気軽さで参加した勉強会で、自分の人生は変わった」と言う曽根氏

 また、別の回でPostgreSQLとOracleの比較について発表した際は、PostgreSQLのメンテナンスを担当する大垣 靖男氏との出会いも果たす。大垣氏から「PostgreSQLはOracleに比べて機能が不足しているが、オープンソースなのだから、自分で機能を追加していいんだよ」という助言を受けた曽根氏は、データベースエンジニアとしてのキャリアを築く決意をしたという。

 「自分の柱を決めたり、ロールモデルを見つけたり。そのようなきっかけは、意外なところに潜んでいる。まさに本日のようなイベントでのふとした一言や飲み会、Twitter(現X)で見かけた人や、本の著者との出会いも、自分を変える契機になる」(曽根氏)。

 自分に変革をもたらす上で、コミュニティが果たす役割も大きい。たとえば曽根氏は「8時間だけ、理想のエンジニアを演じてみる」取り組みをしているが、継続できているのは、ともに努力してくれる周囲の存在があってこそだという。「周りを巻き込む」コミュニティに身を置くことで、おのずと視点・視座が上がったり、経験を積んだりといった自己研鑽につながるため、まずは環境を変えることも有効だと曽根氏は話す。

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自分のやりたいことを明確にし、「右往左往しながら」進むことでゴールへたどり着く

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この記事の著者

中島 佑馬(ナカシマ ユウマ)

 立命館大学卒業後、日刊工業新聞社にて経済記者として勤務。その後テクニカルライターを経て、2021年にフリーランスライターとして独立。Webメディアを中心に活動しており、広くビジネス領域での取材記事やニュース記事、SEO記事の作成などを行う。

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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