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プルリクマージ数10倍を実現! 新卒1年目が挑戦したDevOps定着への道

【14-A-8】新卒1年目が0から始めたDevOps~プルリクマージ数を8倍にした開発プロセス改善~

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 今や、多くの開発組織で取り組まれているDevOps。関係者間の調整を行いながら、組織文化を変えていかなければならず、一般的には中堅以上のエンジニアがリードすることが多い。しかし、ソーシャルデータバンクの島田鉄平氏は、新卒1年目にしてこの大役を担い、組織にDevOpsの文化を根付かせ、プルリクエストのマージ数を10倍にまで増やしたという。若手エンジニアはいかにして失敗を乗り越えてきたのか。その軌跡をお届けする。

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新卒1年目がゼロから始めたDevOps

 2017年創業で、LINE公式アカウントを使ったマーケティングや顧客管理を支援する「Liny」を開発・提供しているソーシャルデータバンク。従業員数63名のうち、エンジニアは約40%。機能開発10名(2チーム)・運用保守15名(2チーム)の体制である。

 島田氏がDevOpsに取り組むきっかけは、入社して半年後のある日、「おもしろそうだから、やってみない?」と部長から声をかけられたことだった。「ピクスタ株式会社さんが技術顧問の@t_wadaさんと配信しているポッドキャスト『texta.fm』の話で部長と会話が盛り上がった。その中で紹介されていた書籍『LeanとDevOpsの科学』を読んで、DevOpsに興味はあった。当時、サービス規模が拡大している最中で、リードエンジニアが忙しく、私のような新人に白羽の矢が立った」と島田氏は振り返る。

ソーシャルデータバンク株式会社 開発部 開発推進課 島田 鉄平氏
ソーシャルデータバンク株式会社 開発部 開発推進課 島田 鉄平氏

 DevOpsを始めるにあたり、島田氏は理想と現状のギャップを知るところから始めることにした。理想を明確にするために参考にしたのが、「DORA(DevOps Research and Assessment)」である。DORAは開発組織の「能力とパフォーマンスの関係」を明らかにするのを目的とした研究プログラムであり、Four Keysを提唱したことでも知られている。

 Four Keysとは、ソフトウェア開発組織のパフォーマンスを示す4つの指標(デプロイ指標・リードタイム・平均修復時間・変更失敗率)のこと。DORAで示されたハイパフォーマンスな組織が持つ指標を、ソーシャルデータバンクが目指す理想に置くことにした。

理想の設定に使用したDORAレポートのパフォーマンス指標
理想の設定に使用したDORAレポートのパフォーマンス指標

 次は、現状のパフォーマンスを知る必要がある。Four Keysのすべてを計測するのは大変なため、チームごとにプルリクエスト(以下、PR)のリードタイムを集計するダッシュボードを作成した。その結果、現状のリードタイムは1週間〜1カ月であることが判明。つまり、現状はDORAでいうミドルパフォーマンスの組織であり、ハイパフォーマンスな組織になるには、リードタイムを1日〜1週間に短縮する必要がある。

 そこで島田氏は、「我々のパフォーマンスは真ん中くらいなので、まずはリードタイム1週間を目指して、PRを小さくするなど、各チームで改善をお願いします!」と呼びかけた。

 しかし、これが失敗だった。「そんなことして何の意味があるの?」と、まったく賛同を得られなかったのだ。

 「正直、心が折れかけた」と、島田氏は当時を振り返る。

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「DevOpsはまず人」失敗から学んだ推進の糸口

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

篠部 雅貴(シノベ マサタカ)

 フリーカメラマン 1975年生まれ。 学生時代、大学を休学しオーストラリアをバイクで放浪。旅の途中で撮影の面白さに惹かれ写真の道へ。 卒業後、都内の商業スタジオにカメラマンとして14年間勤務。2014年に独立し、シノベ写真事務所を設立。雑誌・広告・WEBなど、ポートレートをメインに、料理や商品まで幅広く撮影。旅を愛する出張カメラマンとして奮闘中。 Corporate website Portfolio website

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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提供:ソーシャルデータバンク株式会社

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