Azure Boardsの使用方法(1)
プロジェクトの開発プロセスを変更する
まずはプロジェクトが採用している開発プロセスを変更します。前回の手順でDevOps組織と同時にプロジェクトを作成した場合、デフォルトで「basic」という開発プロセスが選択されているので、これを変更していきます。
プロジェクトのトップ画面を表示し、左下にある「Project settings」を選択します。

「Project details」という画面が表示されます。この中に「Process」という項目があり、現在「Basic」と表示されているかと思います。この「Basic」の部分を選択します。

プロセスの設定画面が表示されるので「Projects」タブを表示し、今回使用するプロジェクト名(devops-practice)の右側にある「...」ボタンを選択して「Change process」を選択します。

プロセス変更画面が表示されるので、セレクトボックスから変更したいプロセスを選択します。今回は「Scrum」を選択し「Save」ボタンを選択します。

しばらく待つとプロジェクトのプロセスが変更されます。
なお、変更前のプロセスで既にBoardsでワークアイテムを作成している場合は、手動でワークアイテムの設定変更が必要な場合があります。プロセスの変更はできるだけ早い段階で行い、以降は極力変更しないようにするとよいでしょう。
ワークアイテムを追加する
プロジェクトのプロセスを「Scrum」に変更できたら、ワークアイテムの作成を行っていきます。
DevOpsダッシュボードの左側メニューから「Boards」を選択します。Boardsを選択すると「Work Items」の画面が表示されると思います。
ここから新しいワークアイテムを作成します。画面上部にある「New Work Item」を選択すると、作成可能なワークアイテムの種類を選択できます。
ここで「Product Backlog Item」を選択し、プロダクトバックログを作成してみましょう。

「Product Backlog Item」を選択すると、プロダクトバックログの作成画面が表示されます。ここでプロダクトバックログの内容を記入していきます。
まずはタイトルをつける必要があります。プロダクトバックログのタイトルは、プロダクトを利用するユーザーが必要とする機能やその操作について表現することから、ユーザーストーリー(エンドユーザーの視点から見た機能要求)の形式で記述するケースが多いです。
ここでは、オンラインショッピングのWebサイトを開発していると仮定して「ユーザーがWebブラウザからシステムにログインできる」というユーザーストーリーをプロダクトバックログのタイトルにします。
その他に、このプロダクトバックログの内容の説明を「Description」へ、開発が完了してこのプロダクトバックログを完了してもよいかどうかの基準となる受け入れ条件を「Acceptance Criteria」へ、それぞれ記入して「Save」ボタンで内容を保存します。

プロダクトバックログを保存したら、画面上部の「Back to Work Items」を選択してワークアイテムの一覧画面に戻ります。作成したプロダクトバックログが一件表示されているはずです。
同様に他のワークアイテムも作成すると、この一覧画面に反映されます。

Boardsでのバックログの確認
続いて、左側のメニューから「Boards」を選択してみましょう。先程作成したプロダクトバックログが、「New」というレーンに表示されていると思います。

このBoardsではワークアイテムのうち、プロダクトバックログのみを表示できます。そのためプロダクトオーナーはこのBoardsを見ることで、プロジェクトの大まかな進捗状況を確認できます。
また、Newレーンにある「New item」からプロダクトバックログを作成することもできます。作成後はNewレーンにワークアイテムが追加されます。

ワークアイテムはドラッグ&ドロップでレーンを移動することができます。これによってステータスが更新されます。レーンの数や名称は自由に変更可能です。
デフォルトでは、New(新規作成状態)、Doing(仕掛り中)、Done(完了済≒リリース済)の3レーンとなっています。

このように、Boards上でワークアイテムを移動することによってステータスを更新していき、一番右側のレーンに到達した時点でそのワークアイテムが完了したとみなすことで進捗状況の可視化を行います。