「AIで月収100万円」の裏で、あなたのコードは狙われている
「AIにプロンプトを投げたら、数時間でアプリが完成した」
「月収100万円を達成!これからは生成AI x ソロプレナーの時代だ!」
SNSを賑わす、きらびやかな成功体験。生成AIの登場は、ソフトウェア開発の世界に革命をもたらしました。これまで専門家だけのものだった高度な技術が民主化され、誰もが「アイディアをカタチにできる」時代が到来したのです。
この熱狂は「バイブコーディング」という言葉を生み出しました。緻密な設計や厳密なテストよりも、感覚や勢い(Vibe)を重視し、AIと共に高速でプロダクトをリリースする開発スタイルです。
しかし、その輝かしい成功の裏でいま、「静かな大惨事」が世界中で起きていることをあなたはご存知でしょうか?
AI推進される今、あえてセキュリティに警鐘を鳴らす理由
はじめまして、Kyohei(X:@labelmake)と申します。普段は外資系IT企業で働きながら、個人でOSSのPDF生成ライブラリ「pdfme」の開発・運営や、三軒茶屋で「三茶.dev」という技術コミュニティの主催をしています。
私自身、CursorやDevinといった最新のAIコーディングツールを日々活用し、その恩恵を大いに受けている一人です。AIはまさに「最強の副操縦士」であり、開発体験を劇的に向上させてくれました。
しかし、10年以上の開発経験と5年以上の個人開発・OSS運営の経験から、この熱狂の裏側に潜むリスクに強い懸念を抱いています。あまりにも便利すぎるが故に、本来もっとも重要な「セキュリティ」という視点を見過ごしてしまっているのではないか、と懸念しています。
そのような思いから先日、バイブコーディングとセキュリティについての動画をYouTubeに公開し、私自身もセキュリティに関する事件の調査や、学びを深めています。
本連載では、AI時代の開発者が見落としがちな「ダウンサイド」に光を当て、皆さんが安心して開発に没頭できるための知識・解決策を共有します。
