「100日チャレンジ」を通して見つけたAIと共生する道
大塚氏の「100日チャレンジ」とは、2023年10月28日からの100日間、ChatGPTを活用しながらPythonでゲームやツールを毎日1つ制作し、その動作動画をSNS(X)へ投稿する取り組みだ。
目的は、ChatGPTとの対話を通じて「仕様駆動」でプログラムを書くスタイルを確立すること。学会で提示した仮説を自らの手で検証する実践でもあった。
しかし「100日間続ける」という目標は、意思の力だけでは維持できない。だからこそ、継続を仕組み化した。最初に「毎日投稿する」とSNSに公言し、公開の場に身を置くことで、周囲の反応や友人からの問いかけが、退路を断つ装置として機能した。
特訓の成果は目に見える形で現れた。Day1、Day50、Day100のオセロを比較すれば、その成長は一目瞭然だ。初日は静的な盤面を表示するだけの簡易版だったが、100日後にはクリック位置の判定、石の反転処理、アニメーション表現まで備えた完成形へと進化した。
最終版のオセロは、わずか6時間で完成させたという。クリック座標の取得、アニメーション制御、ロジック設計といった要素技術を日々分解し、小さく積み上げた結果、短時間でそれらを統合する力を獲得したのである。
このプロセスは、いわばMVP(必要最小限の機能を備えたプロダクト)の連続であった。完璧を目指すのではなく、まず動くものを公開し、小さな成功体験を積み重ねる。その反復が技術的な基礎体力を養った。チャレンジ期間中は、午前中から研究室に入り、夜まで1日13時間以上コードを書き続ける生活を送っていたという。こうした徹底的な実践があったからこそ、成果を明確に示すことができ、多くの支持を集めた。
こうして、100日チャレンジはメディア掲載や出版へとつながり、就職と独立も経験した。現在は月に複数回ハッカソンに参加し、開発過程そのものを公開する実践を続けている。
「なんの取りえもない大学生がAIと出会い、挑戦を重ね、アプリをリリースできた。生成AIが人生を変えてくれた」と大塚氏は語る。
100日チャレンジは、単なる学習記録ではない。AIを前提とした環境で、自らをどう鍛え直すかを示した実験でもあった。生成AIと共に成長するプロセスの具体例を示した点に、この取り組みの真価がある。
