Delphi for PHPのデータベースアクセス 2
Editを使ってデータ表示
今度は、グリッドを使わずに1ページに1件のデータを表示するようなフォームを作成してみましょう。データの表示や編集には、LabelやEditを利用できます。これらのコンポーネントには、DatasourceプロパティとDataFieldプロパティがあり、この2つ値を設定することで、データを表示・編集できるようになります。
また、レコードの移動を行うリンクを追加するには、Paginatorコンポーネントを使います。このコンポーネントを用いれば、ノンコーディングでレコード移動を行うページング機能を実装できます。
では、[File|New|Application]で新規アプリケーションを作成します。新規フォームが表示されたら、データエクスプローラに移動します。
データエクスプローラのツールバーには、4つのボタンがあります。このボタンは、データエクスプローラからフォームに項目をドラッグ&ドロップしたときに作成するコントロールを指定するオプションです。
ボタン | 説明 |
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テーブル項目をドロップしたときに、そのテーブルのデータを表示するDBGridを配置します。 |
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テーブル項目をドロップしたときに、そのテーブルのデータを表示するDBRepeaterを配置します。DBRepeaterは、特殊なパネルで、この上に配置したDatasourceに関連付けられたコントロールにデータを表示し、複数レコード分繰り返して表示します。フォームに1つのDBRepeaterを配置すると、実行時には複数レコード分のDBRepeaterパネルが表示されます。 |
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フィールドをドロップしたときに、そのフィールドのデータを表示するLabelを配置します。 |
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フィールドをドロップしたときに、そのフィールドのデータを表示するEditを配置します。フィールドは編集できます。 |
ここでは、Editをクリックします。
InterBaseのサンプルデータベースから[CUSTOMER]テーブルを選択します。ツリーを開いて、[CUST_NO]を選択します。
選択した、[CUST_NO]項目をフォームにドロップします。すると、Database、Table、DatasourceとCUST_NOのデータを表示するように設定されたEditが配置されます。
LabelとEditを使って、CUSTOMERテーブルのいくつかの項目を表示するようにしてみましょう。図10のようにコンポーネントを配置します。
配置したコンポーネントのプロパティは、それぞれ次のように設定しています。
プロパティ | 値 |
Caption | 顧客番号 |
プロパティ | 値 |
Caption | 顧客名 |
プロパティ | 値 |
Caption | 電話番号 |
プロパティ | 値 |
Caption | 住所 |
プロパティ | 値 |
DataField | CUSTOMER |
DataSource | dsCUSTOMER1 |
Text | CUSTOMER |
プロパティ | 値 |
DataField | PHONE_NO |
DataSource | dsCUSTOMER1 |
Text | PHONE_NO |
プロパティ | 値 |
DataField | ADDRESS_LINE1 |
DataSource | dsCUSTOMER1 |
Text | ADDRESS_LINE1 |
プロパティ | 値 |
DataField | ADDRESS_LINE2 |
DataSource | dsCUSTOMER1 |
Text | ADDRESS_LINE2 |
ページング機能を使う
次に、ツールパレットの[Data Control]カテゴリから、DBPaginatorをフォームに配置します。このコンポーネントは、指定したDatasourceのページング機能を提供します。例えば、ここでDatasourceにdsCUSTOMER1を指定すると、配置したEditに表示されるレコードは、DBPaginatorで選んだレコードになります。
プロパティ | 値 |
CaptionFirst | 最初へ |
CaptionLast | 最後へ |
CaptionNext | 次へ |
CaptionPrevious | 前へ |
DataSource | dsCUSTOMER1 |
では、アプリケーションを実行してみましょう。最初のレコードのデータがフォームに表示されます。[次へ]をクリックすると、次のレコードが表示されます。
おわりに
3回にわたってDelphi for PHPによるPHP開発を紹介してきました。もうまもなく、新バージョンのDelphi for PHP 2.0のトライアル版も入手できるようになるでしょう。Delphi for PHPは、PHP開発に新しいビジュアル手法を取り入れた画期的なツールで、一度使ってみると「面白い!」と実感できます。ぜひお試しください。