SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2025 KANSAI セッションレポート(AD)

マネーフォワード流Cursorでの開発自動化方法。「コンテキストエンジニアリング」で一歩先の生産性へ

【B-8】現場の課題を生成AIで超える!マネーフォワード関西開発部の挑戦

 開発組織の拡大に伴う生産性、品質維持、ナレッジ継承の問題。マネーフォワード関西開発部では、こうした組織の課題に対して、生成AIを使った解決に取り組んでいる。現場の課題にどのように生成AIが効くのか。その具体的な活用ポイントについて、マネーフォワードERP開発本部 関西開発部 部長の矢野 雄大氏が解説した。

グローバル開発チームの「3つの壁」とAIによる挑戦

 マネーフォワードは、法人向けのSaaSサービス「マネーフォワード クラウド」を提供し、経理財務、人事など、さまざまなバックオフィス業務の効率化を支援している。なかでも矢野氏が所属する「マネーフォワード クラウド会計Plus」の開発は、大阪・京都の拠点を中心に、東京と福岡、さらにベトナムとインドの6拠点をまたいだグローバルなチームで開発されている。

株式会社マネーフォワード ERP開発本部 関西開発部 部長 矢野 雄大氏
株式会社マネーフォワード ERP開発本部 関西開発部 部長 矢野 雄大氏

 マネーフォワード クラウド会計Plusは、リリースから5年が経ち、顧客数も増加し、順調に成長を続けている。それに伴い開発組織も、海外を含む6拠点の中に9つのチームを抱えた、大きな組織となった。

 矢野氏は「プロダクトの成長は大変ありがたいが、それに伴ってさまざまな課題も発生している」と言い、同社が直面した3つの課題を挙げた。

 一つ目は「言語の壁」。同社のエンジニア組織は昨年から「完全英語化」され、開発のコミュニケーションはすべて英語で行っているという。しかし、プロダクトは日本の顧客向けであるため仕様の理解に齟齬が生じることや、過去のドキュメントが日本語で書かれているために情報共有がスムーズに進まないといった課題があった。

 二つ目は、開発メンバーの入れ替わりによる「ナレッジ継承」の課題だ。組織が大きくなるにつれて、新メンバーの教育コストが増大することも課題になっている。

 そして三つ目に、「品質保証」の課題を挙げた。組織の拡大に伴い、チームごとに品質レベルにばらつきが生じたり、開発メンバーの経験値に品質が左右されたりする。

 「つまり、言語の違いや経験年数の違い、ドメイン知識の違いといった差異を乗り越え、プロセスとアウトプットを標準化していかなければいけない。ここにAIの力を使うのが私たちの挑戦でした」

 矢野氏は、「AIアシスタント」と「AIエージェント」の2つのソリューションを組み合わせて課題解決に挑んだ。

 AIアシスタントは、人間の作業を支援し効率化するAI。ChatGPTなどの生成AIをAIアシスタントとして活用することで、人間が手動でドキュメントを探すことなく必要な知識を取得できる。

 一方、人間がゴールを指定し、そのタスクを代わりに実行するのがAIエージェントだ。AIが必要なツールにアクセスしたり、修正を行ったりしながら、自律的にゴールに到達する。

 同社ではこの2種類のAIを開発サイクルの至る所に導入している。下図の通り、開発のさまざまなフェーズでAIが活用されている。

 矢野氏はこの中から、「オンボーディング」と「E2Eテストの実装と実行」のAI活用の実践について、デモを交えて解説した。

次のページ
Cursorで実現する次世代のオンボーディング

この記事は参考になりましたか?

Developers Summit 2025 KANSAI セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岩本 隆之(イワモト タカユキ)

 1986年 兵庫県神崎郡出身 2009年 関西大学卒業 学生時代より写真・映像制作を行う。 写真撮影スタジオ勤務ののち、2020年独立。 現在は大阪市在住。 広告写真を中心としながら、ジャンルを問わず活動中。 HP Instagram

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社マネーフォワード

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/22331 2025/11/10 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング