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Visual Studio 2008徹底入門(AD)

Visual Studio Tools for Officeで作るOfficeアプリケーション

Visual Studio 2008 徹底入門 (9)

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ドキュメントレベルとアプリケーションレベル

 VSTO 2008というよりもVSTOにおける用語の確認です。先述したドキュメントレベル、アプリケーションレベルという言葉の指すものを説明します。これらについて、すでにご存じの場合にはこの部分は読み飛ばしてしまって構いません。

 表1の中でも出てきましたが、VSTOを利用したOfficeカスタムアプリケーションを作成する場合、その形態により呼び名の違う2つの形式のアプリケーションを作成できます。この2種類がそれぞれドキュメントレベル、アプリケーションレベルと言われる開発手法になります。

ドキュメントレベル

 ドキュメントレベル(正確にはドキュメントレベルのカスタマイズと言われます)は、WordやExcelなどの特定の文書やテンプレートに関連付けられるアプリケーションの形態のことを指します。ExcelなどでVBAを使ったアプリケーションを作ることは多いと思いますが、ちょうどそれと似たような位置づけのものです。開発したカスタムアプリケーションはドキュメントに関連づくため、対象のドキュメントが開いているときにのみ使用できます。

 一方で、アプリケーション用にドキュメントの体裁を作成してしまうことができます。例えば注文書のひな形をExcelで作成し、ドロップダウンやボタンなどをWindowsフォームのコントロールで構成するといったことが可能です。このため、ドキュメントの見た目からその入力支援やバックエンド処理までの一連のプロセスをまとめて行いたいような場合に利用する形式となります。

図3:VS2008でシートをレイアウトした例
図3:VS2008でシートをレイアウトした例

アプリケーションレベル

 アプリケーションレベル(正確にはアプリケーションレベルのアドインと言われます)は、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションそのものに関連付けられるアプリケーション形態のことを指します。開発したカスタムアプリケーションはアプリケーションに関連づくため、Officeアプリケーションを起動したときに有効になり、どんなドキュメントが開かれているかに関わらず利用できます。

 Office 2007用に、PDFやXPSの保存ができるようになるアドイン(2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF/XPS 保存アドイン参照)が提供されていますが、このように特定の文書ではなく、アプリケーションそのものに追加の機能を提供する位置づけのものです。

 ドキュメントレベル、アプリケーションレベルの選択は基本的にはその用途によって使い分けるべきですが、VSTOを利用してこれらの開発を行う場合には、それぞれの選択によって利用できない機能などがでてきます。

 例えば、アプリケーションレベルのアドインではカスタム作業ウィンドウを作成できますが、ドキュメントレベルのカスタマイズでは作業ウィンドウの1つである「ドキュメントアクション」と呼ばれるウィンドウのみを変更することができます。これらの詳細についてはMSDNライブラリのアプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能を参照してください。

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アプリケーションの作成 1

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ/FUJIKO/ナオキ(リバティ, フジコ, ナオキ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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