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Java開発者のためのCurl入門(AD)

Java開発者のためのCurl入門-CSVファイルの読み込みとグラフ表示

第5回

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 前回は、データをグラフに表示する方法について説明しました。今回は、CSVファイルを読み込み、CSVファイルの内容をグラフに表示するアプリケーションを作成する方法を説明します。

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はじめに

 前回は、データをグラフに表示する方法について説明しました。今回は、CSVファイルを読み込み、CSVファイルの内容をグラフに表示するアプリケーションを作成する方法を説明します。

これまでの記事

1.CSVファイルの読み込み

 次のように、名前、身長、体重というカラムがあるCSVファイルがあったとします。

CSVファイルの中身
Allen,200,80
Smith,170,100
Scott,165,60
James,175,60

 このCSVファイルをCurlで読み込むには、以下のようなコードを記述します。

CSVファイルの読み込みを行うコード
{let records:CsvRecordSet =
    {CsvRecordSet
          {url "data.csv"}
        , fields = 
            {RecordFields
                {RecordField "name",   caption = "Name", domain = String}
              , {RecordField "height", caption = "height", domain = int}
              , {RecordField "weight", caption = "weight", domain = int}
            } 
    }
}

 Curlの場合、このようにファイルのURLを指定するだけで、CSVファイルの読み込みとCsvRecordSetのインスタンス作成が可能です。

 また、「{url "http://localhost:8080/sample/csvDownload.do"}」のように、httpのURLを指定するだけでネットワーク上のCSVファイルを読み込むこともできます。

 次のファイルのようにヘッダ行を持ったCSVファイルの読み込みも可能です。ヘッダ行のあるファイルを読み込む場合は、header-line-countでヘッダの行数を指定するだけで対応できます。

CSVファイルの中身
name,height,weight
Allen,200,80
Smith,170,100
Scott,165,60
James,175,60
ヘッダ行が存在するCSVファイルの読み込みを行うコード
{let records:CsvRecordSet =
    {CsvRecordSet
          {url "data.csv"}

          || ヘッダが存在する場合は、ヘッダの行数を指定する
        , header-line-count = 1

        , fields = 
            {RecordFields
                {RecordField "name",   caption = "Name", domain = String}
              , {RecordField "height", caption = "height", domain = int}
              , {RecordField "weight", caption = "weight", domain = int}
            } 
    }
}

 CurlではこのようにCSVファイルを読み込む機能があらかじめAPIとして提供されているため、コーディングは非常に簡単です。

2.読み込みんだデータをグラフにする

 前回の記事では、データを作成しグラフを表示するには次のようなコードを記述しました。

LayeredChartを使用し、バブルグラフを表示するコード
{LayeredChart
    width = 15cm
    , height = 7.25cm
    , left-axis = {new {NumericDataSeriesAxis-of float}
        , {ChartDataSeries records, "height"}
        , force-zero? = false
        , force-range? =  true
        , forced-min = 130
        , forced-max = 210
    }
    , {BubbleLayer
        records
        , "height"
        , scatter-shape = "ellipse"
        , x-axis-data = {ChartDataSeries records, "name"}
        , primary-size-data = {ChartDataSeries records, "bmi"}
        , secondary-size-data = {ChartDataSeries records, "bmi"}
    }
}

 上記コードのrecordsという変数は、RecordSetのインスタンスです。一方、CSVファイルデータを読み込んだデータを表すCsvRecordSetクラスはRecordSetを継承しているため、上記とまったく同じコードを記述するだけで対応できます。recordsという変数の位置にCsvRecordSetのインスタンスを渡せばグラフ化が可能です。

 Javaなどでは、CSVファイルを扱うモジュールとグラフ化を行うモジュールが、異なるモジュールであるのが一般的なため、その間には型変換を行う処理が必要になってきます。しかし、Curlの場合、統一されたAPIとして提供されているので、スマートにデータの連携が行えます。

 しかし、これだけのコードでは、CSVのデータにBMI値が含まれていないためエラーになってしまいますので、BMI値を計算し設定する必要があります。CsvRecordSetのインスタンスにBMI値を設定するコードは次のようになります。

CsvRecordSetにBMI値をセットするコード
{for record:Record in records do
    set record["bmi"] = record["weight"]/((record["height"]/100)*(record["height"]/100))
}

 これは、全レコードに対して、体重と身長からBMI値を計算し、設定するというコードです。RecordSetクラスは、JavaのMapのように、キーを指定してアクセスできます。

 コード全体は次のようになります。

コード全体
{curl 6.0 applet}
{curl-file-attributes character-encoding = "shift-jis"}

{import * from CURL.GUI.CHARTS}
{let records:CsvRecordSet =
    {CsvRecordSet
          {url "data.csv"}

          || ヘッダが存在する場合は、ヘッダの行数を指定する
        , header-line-count = 1

        , fields = 
            {RecordFields
                {RecordField "name",   caption = "Name", domain = String}
              , {RecordField "height", caption = "height", domain = int}
              , {RecordField "weight", caption = "weight", domain = int}
              , {RecordField "bmi", caption = "bmi", domain = int}
            } 
    }
}

|| BMIの計算と値の設定
{for record:Record in records do
    set record["bmi"] = record["weight"]/((record["height"]/100)*(record["height"]/100))
}

{LayeredChart
    width = 15cm
    , height = 7.25cm
    , left-axis = {new {NumericDataSeriesAxis-of float}
        , {ChartDataSeries records, "height"}
        , force-zero? = false
        , force-range? =  true
        , forced-min = 130
        , forced-max = 210
    }
    , {BubbleLayer
        records
        , "height"
        , scatter-shape = "ellipse"
        , x-axis-data = {ChartDataSeries records, "name"}
        , primary-size-data = {ChartDataSeries records, "bmi"}
        , secondary-size-data = {ChartDataSeries records, "bmi"}
    }
}

3.サーバーサイドのデータをグラフ化する

 RecordSetのインスタンスを作成出来てしまえば、グラフ化までの手数は少なくて済みます。

 また、連載の第2回で紹介したJSONを利用したサーバーサイドとの連携でも、JSONデータからRecordSetへの変換処理は比較的簡単に行うことができました。

 このように、Curlの中でデータを定義した場合だけではなく、サーバーサイドのデータをグラフ化することも比較的容易に行えるのが分かります。

JSONからRecordSetへの変換コード
|| サーバからのJsonデータの受信
{let empJsonValue: JsonValue =
    {JsonValue-parse
       {url "http://localhost:8080/curl_server/emp.json"}
    }
}

|| Jsonデータを保管するレコード:customers
{let employees: RecordSet =
    {RecordSet
        {RecordFields
              {RecordField "empno", caption = "empno", domain = int}
            , {RecordField "ename", caption = "ename",  domain = String}
            , {RecordField "job", caption = "job",  domain = String}
            , {RecordField "mgr", caption = "mgr",  domain = int}
            , {RecordField "hiredate", caption = "hiredate",  domain = double}
            , {RecordField "sal", caption = "sal",  domain = double}
            , {RecordField "deptno", caption = "deptno",  domain = int}
        }
    }
}

|| Jsonデータをcustomersに追加する
{define-proc public {add-rec
                        empno:int
                        , ename: String
                        , job: String
                        , mgr: int
                        , hiredate: double
                        , sal: double
                        , deptno: int
                    }: void
    let new-rec: Record = {employees.new-record}
    {new-rec.set "empno", empno}
    {new-rec.set "ename", ename}
    {new-rec.set "job", job}
    {new-rec.set "mgr", mgr}
    {new-rec.set "hiredate", hiredate}
    {new-rec.set "sal", sal}
    {new-rec.set "deptno", deptno}
    {employees.append new-rec}
}

{for emp: JsonObject in empJsonValue do
    let empno: int = 0
    let ename: String = {String}
    let job: String = {String}
    let mgr: int = 0
    let hiredate: double = 0
    let sal: double = 0
    let deptno: int = 0
    set empno = {emp.get "empno"}
    set ename = {emp.get "ename"}
    set job = {emp.get "job"}
    set mgr = {emp.get "mgr"}
    set hiredate = {emp.get "hiredate"}
    set sal = {emp.get "sal"}
    set deptno = {emp.get "deptno"}
    {add-rec empno, ename, job, mgr, hiredate, sal, deptno}
}

4.まとめ

 Curlでは、CSVファイルにアクセスするためのURLが分かっていれば、容易にグラフ化を行うことができます。Strutsでできたアプリケーションであっても、CSVファイルをダウンロードするURLが分かっていれば同様に可能です。また、サーバーサイドのデータをグラフ化することも容易に行えます。既存アプリのビューとしてCurlを利用するのも面白いのではないでしょうか。

 次回は、JavaとCurlの文法などの比較を行います。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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