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論理データセンターデザイナでインフラモデルを作ろう

Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみよう(3)

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 Visual Studio Team System 2008には、以前の製品(Visual Studio 2005 Team System)同様に分散デザインを行うための機能を有したArchitecture Editionという製品がリリースされています。若干、使いどころが分かりにくい製品ではありますが、この製品に用意されている分散デザイナ機能を確認することでどういった用途が考えられるのかを見ていきたいと思います。今回は分散デザイナ機能のうち、論理データセンターデザイナについて使い方と使いどころを確認していきます。

目次

はじめに

 本稿は、Visual Studio Team System 2008 Architecture Editionを使ってみようというシリーズの第3回にあたるものです。本シリーズでは、Visual Studio Team System 2008 Architecture Edition(以下、VSTS-AE)に用意されている「分散デザイナ」と総称される「アプリケーションデザイナ」「システムデザイナ」「論理データセンターデザイナ」「配置デザイナ」の4つのデザイナ機能について、使い方や使いどころなどを解説しています。「第1回」では図1に示すようなシンプルなWebアプリケーションを対象に、アプリケーションデザイナを利用してアプリケーションをモデリングしていく方法を見てきました。

図1:シンプルWebアプリケーション
図1:シンプルWebアプリケーション

 「第2回」では図2に示すような少し複雑なアプリケーションを対象に、システムデザイナを利用してアプリケーションシステムというものをモデリングしていく方法を見てきました。

図2:シンプルWebアプリケーション
図2:シンプルWebアプリケーション

 第3回となる今回は、アプリケーションではなくインフラに目を向けていきます。VSTS-AEに用意されている論理データセンターデザイナという機能を利用してインフラのモデルを作成する方法を見ていきます。

 なお、付属のサンプルファイル(CodeZine-VSTS-AE03.zip)は、解凍すると「CodeZine-VSTS-AE03」というフォルダがあります。このフォルダ内には、本稿で解説した作業を一通り実施した結果のファイルが格納されています。必要な環境と準備の部分で説明している環境があればVisual Studioを利用して中身を確認していただくことができます。

対象読者

  • .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている人
  • Visual Studio Team System 2008に興味がある人

必要な環境と準備

 本稿で解説している内容を実際に試す場合には、以下の環境が必要となります。

  • Visual Studio Team System 2008 Architecture Edition
  • または、Visual Studio Team System 2008 Team Suite

 お手元に製品メディアがない場合には、評価版を利用しても構いません。VSTS-AEの評価版は用意されていませんので、代わりに「Visual Studio Team System 2008 Team Suite (90 日間評価版)」をダウンロードしてインストールを行ってください。

 なお、本稿で解説している内容およびスクリーンショットは、Visual Studio 2008 Team Suite + Service Pack 1を利用している環境に基づいています。そのため、VSTS-AEを利用している場合、またはService Pack 1が当たっていない場合の2つの場合において、スクリーンショットの一部に差異がある可能性があります。本稿で解説している内容を実践する場合には、できる限りService Pack 1を適用した状態で行うようにしてください。

論理データセンターとは

 いろいろな説明を始める前に、はじめに論理データセンターの定義について確認しておきます。例えば、Team Foundation Server(以下、TFS)をインストールするときのことを考えてみます。TFSはサーバー機能を1台の物理サーバーにインストールすることができ、他にActive DirectoryドメインコントローラーになるサーバーとWindows XPなどのクライアントがあれば利用することができます。図に示すと図3のような状態です。

図3:TFSを実際にインストールした場合のPC構成
図3:TFSを実際にインストールした場合のPC構成

 ここで、実際にはどんな役割がインストールされているのかを考えてみます。「Team Foundation Client」が2台のPCにインストールされていますが、これは同じ役割が複数のPCにインストールされている状態です。サーバー側はAll-in-Oneとなっていますが、実際には「Team Foundation Application Tier」「Team Foundation Database Tier」「Team Foundation Build Server」という3つの役割がインストールされています。これにActive Directoryの分を追加すると全部で5つの役割から構成されていることが分かります。この役割を1つの単位としてPCの繋がりを考えてみると次の図 4の構成が図示できます。

図4:TFSの役割に基づくPCの繋がり
図4:TFSの役割に基づくPCの繋がり

 こちらの図では「Team Foundation Client」は1つに集約され、サーバー側の役割は3つに分離されています。ここにはそれぞれの役割が物理的にどのPCにインストールされるのかという情報は存在していません。このように、ある役割を実行するサーバーとその繋がり(正確には後述のもう1つの要素があります)を示しているものが論理データセンターと呼んでいるモデルになります。


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著者プロフィール

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XMLD...

  • WINGSプロジェクト りばてぃ/FUJIKO/ナオキ(リバティ, フジコ, ナオキ)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂...

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